2013 Fiscal Year Research-status Report
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24700654
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Research Institution | Sapporo University |
Principal Investigator |
金 誠 札幌大学, 地域共創学群, 准教授 (40453245)
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Keywords | 植民地権力 / ナショナリズム / 対日協力 / スポーツ |
Research Abstract |
平成25年度は平成24年度にスポーツ史学会第26回大会にて発表した「オリンピックと植民地朝鮮―朝鮮人選手の国際スポーツへの参加とその意義-」をスポーツ史学会の学会誌であるスポーツ史研究に科学研究費補助金の研究成果(原著論文)の一部として提出した。(現在再審査中であり、テーマを「朝鮮人選手のオリンピック競技大会参加と植民地権力ー「孫基禎」にみる植民地権力とナショナリズムの相克ー」に変更した) 上記論文は第10回オリンピック競技大会(ロサンゼルス)と第11回オリンピック競技大会(ベルリン)に参加した朝鮮人選手らに着目し、植民地権力とナショナリズムの狭間で葛藤する朝鮮人選手らを描こうとしたものであり、なかでもベルリンで金メダルを獲得した孫基禎選手に焦点を当て、彼が日本の戦時体制下において対日協力を行った事実を朝鮮人選手らの葛藤や朝鮮人民族主義者らの劣等感、さらにこの時期に強化されていく植民地権力との関係から説明していくものであった。 そのため今年度は上記論文の執筆作業と審査後の修正に関わる再調査が主な作業となり、執筆作業を終えてから史資料収集のためのフィールドワークを行った。 本研究課題の遂行のために次に着目しているのが李相佰氏の体育・スポーツ活動である。今年度は『籠球』・『体育日本』などに掲載されている李相佰氏の言説の収集、ならびに『想白李相佰評伝』などの文献資料の収集を行った。史料の整理を行い、26年度に分析を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一旦これまでの研究成果をまとめるために学術論文の作成を行ったのだが、論文の作成、さらに審査を受けてから修正・加筆するための再調査に時間を費やしてしまい、今年度予定していた李相佰氏についての分析に入るところまでには至らなかった。そのため26年度は収集してきた史資料の分析に入り、研究ノートなどに成果をまとめていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
史資料の収集はフィールドワークも含め、継続して行っていく予定である。25年度に原著論文の作成を行ったために研究の遂行が若干遅れてしまったため、26年度と27年度の前半はライティング作業よりも史資料の分析に重点を置いて研究を遂行していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
史資料の収集を国内でのフィールドワークが中心になったため、海外へのフィールドワークを行わなかった分だけ若干の残額が計上された。 次年度は海外へのフィールドワークも行い、未使用分の研究費も使用していく予定である。
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Research Products
(3 results)