2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24700654
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Research Institution | Sapporo University |
Principal Investigator |
金 誠 札幌大学, 地域共創学群, 准教授 (40453245)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 植民地朝鮮 / 対日協力 / スポーツ |
Outline of Annual Research Achievements |
27年度は最終年であったが、昨年度から継続している本研究課題に関わる審査論文のリライト作業を行い、再度の審査を受けている。 また本研究課題を新聞資料などを用いて具体的に進めつつ、8月には第11回東北アジア体育・スポーツ史学会にて「孫基禎のジレンマ─総力戦体制下の対日協力─」というテーマで研究発表を行った。ベルリン・オリンピックで金メダルを獲得した孫基禎がオリンピック当時は民族的な意識が強かったとされるにも関わらず、その後の朝鮮半島における総力戦体制下においては学徒先輩中堅団の一員として朝鮮人学徒兵の募集に力を貸す対日協力行為を行った事実が確認される。そうした対日協力行為に向かっていったのはなぜなのか。彼の陥ったジレンマを当該期の朝鮮人知識人らの持っていた近代的志向性や英雄を生み出す装置としてのオリンピックという巨大な国際スポーツイベントの影響力に着目しながら分析を試みた。 その後、植民地期の朝鮮半島において1920年~1938年まで存続した朝鮮体育会に着目して、体育会の役員名簿を作成し、その名簿のなかの人物らの対日協力行為を『親日人名事典』にて確認した。なかでも何名かの歴代会長ら(高元勲、尹致昊、兪億兼)については当時の新聞・雑誌資料などにも彼らの言説がいくつか確認できることからそれらの史資料を収集・整理し、分析を進めている。研究の当該年度には発表が間に合わなかったが、今後これらをまとめて研究発表等を行う予定にしている。
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Research Products
(3 results)