2012 Fiscal Year Research-status Report
自立・持続経営を担保する総合型地域スポーツクラブのマネジメント
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24700672
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Research Institution | Kanazawa Seiryo University |
Principal Investigator |
田島 良輝 金沢星稜大学, 人間科学部, 准教授 (80367094)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 総合型地域スポーツクラブ |
Research Abstract |
本研究では、総合型地域スポーツクラブの経営実態を診断する評価指標の開発と集客マーケティング戦略の開発と検証を行うことで、クラブの持続経営を担保するベンチマークを策定することを目的としている。 1. 経営実態を診断する評価指標の開発 NPOを取得しているクラブの財務的持続性を規定する要因について明らかにするため、①全国のNPOを取得している総合型地域スポーツクラブの財務状況データベースの追加・更新作業を行い、データベースの完成度を高めた。②更新した最新(平成23年度まで)のデータを用いて、馬場ら(2009.2011ほか)が作成した非営利組織向けの指標にて分析を行った。その結果、サークル型組織から事業型組織へ移行する団体が多いことが示された。事業収入の増加により収入規模が拡大するクラブが増えているが、会費や寄付金などといった社会的支援収入比率が低くなり、収入多様性(ハーフィンダール・ハーシュマン指数=HHI)が減少していく傾向も確認された。③②同様に更新したデータを用い、財務的に良好なクラブの財務持続性の特徴を明らかにするため、収入項目(入会金・会費、寄付金、事業、補助・助成金)と収入の質(収益率、社会的支援収入比率、収入多様性指標)について順位相関係数行い、分析をした。その結果、収入規模を拡大させるためには事業収入を集中的に伸ばしていくことが有効であること、クラブの財務持続性を高めるためには短期的にも長期的にも収益率と関連性が高いという、これまでの調査結果と同様の結果が確認された。 2. 集客マーケティング戦略の開発と検証 A県に所在するすべての総合型地域スポーツクラブについて、その商圏情報を収集し、基礎情報(人口、年代別人口など)をまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究プロジェクトは、 1. 経営実態を診断する評価指標の開発 2. 集客マーケティング戦略の開発と検証の2つの研究テーマに取り組んでいる。 1. については、すでにデータ収集の90%近くが終了し、学会等での研究発表の準備も具体化している。また、2.については平成24年度後半から25年度にかけて分析に着手する予定のものであり、現在の情報収集の状況から計画通り研究を進めることができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
1. GIS を利用した総合型クラブ会員の商圏分析 GIS を利用して総合型クラブ会員の商圏を明らかにする。具体的には、当該地域の人口分布と市場浸透率の対応関係を把握することで、需要がどれほど掘り起こされるかを明らかにする。各対象クラブより個人会員名簿を入手し、続いて研究地域内における大字・町単位の人口統計データを入力する。さらに、各大字・町の市場浸透率を算出し、GISソフトウエア(現有設備)上に表示、分析を行う。 2. クラブ会員の満足度測定 総合型クラブというプロダクトの中核ベネフィットを明示したうえで、人/施設/プログラム等について会員の満足度を調査・分析し、クラブへの満足度とロイヤルティの関連性を解明する。A県とB県に所在するすべての総合型クラブ会員から、それぞれ層化多段抽出法でサンプリングを行う。はじめにA県データを用い探索的因子分析を行い、プロダクト構造に対応したサービス評価因子を明らかにする。続いてB県調査において共分散構造分析を行い、サービス評価と満足度の関連性、満足度とロイヤルティの影響力等を分析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1. 設備備品費(GIS マーケティングデータベースCHOMONICX 2.0) 研究地域内における大字・町単位の人口統計データを入力し、市場浸透率を算出するための費用 2. 消耗品費(用紙、封筒、タグシール、文献複写費)クラブ会員の満足度測定のためのアンケート調査用品および文献資料収集のための費用 3. 旅費(国内)(調査対象地訪問への旅費、研究成果発表のための学会出席) 4. 人件費・謝金(調査資料の整理など、アルバイト代) 5. その他(調査入力委託費など)
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