2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24700676
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
権 学俊 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (20381650)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | スポーツ / 天皇制 / 身体規律 / ナショナリズム / 国民体育大会 / 天皇杯 / 国民意識 / 植民地 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は近現代日本社会における天皇制とスポーツを実証的・総合的に解明した。本研究は近現代日本における天皇制とスポーツとの関係の解明を目的とし、(ⅰ)天皇制とスポーツとの関わりに関する分析を通して、日本社会における社会的特質と国民意識を明らかにし、(ⅱ)近現代日本社会のスポーツイベントの分析や各競技種目と天皇制との関わりについて分析、(ⅲ)天皇制とスポーツの歴史的意味、天皇制においてスポーツはどのような機能と役割を果たしたのか、皇族のスポーツ関与はどのような効果を収めたのか、ⅳ)内地国民・外地国民はそれをいかに受容したのか、民衆側の受容の諸力学を析出した。つまり、国家と民衆との緊張関係を検討した。また、(ⅴ)旧「大日本帝国」のスポーツイベントの分析と近代日本スポーツイベントを対比した。これらを通じ、天皇制におけるスポーツ、スポーツにおける天皇制において、何が見落とされてきたのかを分析しようと試みた。 特に平成26年度は、戦時下におけるスポーツというものの役割、大相撲と天皇制との関わりについて大相撲を取り上げて検討した。平成26年度の研究では、(1)「脱亜入欧」と「相撲無用論」、相撲の「国技化」過程と「ナショナリズム」の勃興、(2) 戦時下における大相撲の改革と造られた「相撲ブーム」と天皇制、そして力士による勤労奉仕事業について明らかにした。最後に、1936年から1939年まで3年にも及ぶ69連勝の大記録によって国民の関心の的となった (3)横綱・双葉山の連勝が持つ意味と積極的に戦地に出向いていた大相撲「皇軍慰問」と皇族の役割について分析を進めた。これらを分析することによって、戦時下日本社会における大相撲の持つ政治性と天皇制、大相撲と戦争との関わりについて明らかにした。
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Research Products
(5 results)