2012 Fiscal Year Research-status Report
身体感覚の視覚的フィードバックを生かした運動指導支援システムの開発
Project/Area Number |
24700687
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Yuge National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
水崎 一良 弓削商船高等専門学校, その他部局等, 准教授 (00403600)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 身体感覚 / コツ / 技術指導 / バイオメカニクス / バスケットボール |
Research Abstract |
体育・スポーツの技術指導は,学習者・指導者相互の主観的認識(理解)に基づく経験主義的な実践が主流である。彼らの持つ暗黙的な知識は大変興味深いが,学習者の身体感覚の客観化と,その共有は困難である。申請者は,バイオメカニクスを応用し,学習者の「身体感覚」を視覚的にフィードバックする技術指導を試み,成果を得ている。しかし,高価な計測器を用いており,幅広い技術・体力レベルでの活用には至っていない。本研究では,リアルタイムで足圧分布および動作データがフィードバック可能な,バランスWiiボード・Wiiリモコンを用いた「簡易式運動指導支援システムの開発」とその有効性を明らかにすることを目指している。 今年度は,簡易式運動指導支援システムを開発するために,「バスケットボール競技の構え」に着目した。その構えについて,技術評価の観点を見出すための基礎資料を得ることを第1の目的とした。そして,これらの資料を活用した,「簡易式運動指導支援システム」のソフト開発を第2の目的とした。 第1の目的の取り組みとして,バスケットボールの構えおよびその後の動作について,足圧分布計測,筋電図計測,2次元動作解析を実施した。被検者は,継続的な協力が可能な熟練者と非熟練者とした。その結果,足圧分布,筋放電,身体感覚(足底および筋)について,被検者間で差異が認められた。これらの差異をバイオメカニクス的観点より検討したところ,熟練者に明らかな合理性が認められた。すなわち,バスケットボールの構えおよびその後の動作において,身体感覚がそのパフォーマンスに影響することが示唆された。 第2の目的である,バランスWiiボード・Wiiリモコンを用いた「簡易式運動指導支援システムのソフト開発については,技術評価の観点に基づくフィードバック(とくに動作データ)について課題が残っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は,合理的な「構え」の「簡易式運動指導支援システム」の開発を目指した。そのために必要な基礎資料を得るため,「バスケットボール競技の構え」について,バイオメカニクス的観点から詳細な技術分析(足圧分布計測,筋電図計測,3次元運動解析(広島大学スポーツ健康科学研究所にて借用))を行う予定であった。しかし,システム開発に必要な「技術評価の観点」を十分に確立できていないため,当初の予定を変更し,まずは弓削商船高等専門学校研究室内において足圧分布計測,筋電図計測,2次元運動解析による技術分析を実施した。 そのため,詳細な技術分析の実施には至っておらず,これに伴い,バランスWiiボード・Wiiリモコンを用いた「簡易式運動指導支援システム」のソフト開発についても,当初の予定より遅れが出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度中に,合理的な「バスケットボール競技の構え」の追求と「簡易式運動指導支援システム」の開発を目指す。 計測期間は,被検者である学習者・指導者の意見を取り入れ決定する。詳細な技術分析(3次元運動解析,足圧分布計測,筋電図計測)は, 4日間の予定で2回(計8日間)実施する。現役選手を対象とするため,スケジュール調整が難航することが予想される。その場合は,計測の実施場所・期日・回数などを調整し,柔軟に対応する。研究協力者は,専門的知識を有した現地大学院生2名とする。足圧分布および筋電図の解析作業は,研究者が弓削商船高等専門学校研究室内にて行う。3次元運動解析は,研究者を中心に,企業技術者1名と協力してのべ5日間行う。 これと並行して,バランスWiiボード・Wiiリモコンを用いた「簡易式運動指導支援システム」のソフト開発を行う。 得られた研究成果は,国内学会にて発表する。また,学習者・指導者にも研究成果を報告する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に,合理的な「構え」の追求のための詳細な技術分析に伴う研究費に使用する。これに加えて,「簡易式運動指導支援システム」のソフト開発に使用する。
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