2013 Fiscal Year Annual Research Report
暑熱環境下での持久的運動時における脳血流低下のメカニズムを探る
Project/Area Number |
24700708
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Research Institution | Japan Women's College of Physical Education |
Principal Investigator |
佐藤 耕平 日本女子体育大学, 体育学部, 准教授 (00409278)
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Keywords | 脳血流 / 暑熱運動 / 体温調節機能 / 外頸動脈 / 内頸動脈 |
Research Abstract |
暑熱(高温)環境下での持久性運動時には、劇的なパフォーマンスの低下が起こる。このパフォーマンス低下の要因として中枢性(脳)疲労が考えられており、これは脳血流量の低下により引き起こされる。しかしながら、暑熱環境での運動時に起こる脳血流低下の詳細なメカニズムは不明であり、このメカニズムの解明は、運動時の脳循環調節、中枢性疲労の要因、パフォーマンスの制限因子を探る上で重要である。本研究の目的は、「暑熱環境下での持久的運動時に起こる脳血流低下のメカニズムを明らかにする」ことである。昨年度は、運動を伴わない暑熱環境下における脳血流の調節メカニズムに焦点を当てた。その結果、暑熱暴露における脳血流低下は主に、動脈血二酸化炭素分圧の低下によって引き起こされることが明らかになった。この研究成果を受け、今年度は暑熱環境下での脳血流調節に関する実験を行った。具体的には、高温環境(35℃)および正常環境(25℃)で60%VO2maxでの50分間の運動を行い、両条件においてCBF(内頸動脈・椎骨動脈)と外頸動脈を継続的に測定し、CBFの低下に対する、外頸動脈血流増加の影響を検討した。その結果、暑熱環境下における運動時に起こる内頸動脈血流(つまり脳血流)の低下に、体温調節機能の亢進に伴う外頸動脈血流量の増加が一部関与する可能性が示唆された。つまり、動脈血二酸化炭素分圧の低下や血圧の低下のみならず、熱放散システムの亢進が暑熱環境での運動時における脳血流調節に影響をもたらすことが明らかになった。
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Research Products
(3 results)