2013 Fiscal Year Annual Research Report
体温,心拍,血圧の日内変動と健康関連尺度,不定愁訴発現の関連性に関する研究
Project/Area Number |
24700739
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
西村 一樹 広島工業大学, 環境学部, 助教 (50550026)
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Keywords | サーカディアンリズム / 健康関連尺度 / 不定愁訴 / 体温 / 運動 / 朝食 / 心拍数 / 血圧 |
Research Abstract |
ヒトは,約24時間周期で変動するサーカディアンリズムを有する.サーカディアンリズムは,短期的あるいは長期的な要因によって,乱れを生じる.個人のサーカディアンリズムの把握は,健康管理のために重要である.我々は,覚醒中の舌下温の日内変動を客観的かつ定量的に評価する方法を考案した.平成25年度は,平成24年度と同様の調査を継続して実施し,若年者500名および中高齢者40名を対象に起床後から就寝までの2時間毎に1週間の舌下温測定を行った.また,生活習慣に関する質問紙調査および健康関連尺度指標調査を実施した.舌下温の日内変動特性(最高値が出現する時刻および最高値と起床時の舌下温の差)と健康関連尺度の下位尺度(心の健康,活力),生活習慣,不定愁訴発現頻度との間に関連性が観察された.つまり,舌下温の日内変動の位相および振幅が,生活習慣および精神的健康度の低下によって変動することが明らかになった.さらに,朝食摂取および午前の軽運動実施が仰臥位安静時の舌下温,心拍数,血圧および心臓自律神経系調節に及ぼす影響を検討した.健康成人男性10名を対象とした.対象者は,測定前日22時から測定翌日8時まで環境管理させた実験室で過ごした.睡眠時間は23時から7時までの8時間とした.実験条件は,7時30分に朝食を摂取し,8時30分に最大酸素摂取量の40%強度の自転車運動を15分間行う条件とした.対照条件は,朝食を欠食し,運動を実施しない条件とした.測定時刻は,起床後から就寝までの2時間毎とした.朝食摂取および軽運動の実施によって,心拍数,舌下温および拡張期血圧は,有意な変動を示した.さらに,朝食摂取および軽運動の実施は,舌下温の日内変動の最高値を有意に早く出現させた.このことは,朝食摂取および軽運動の実施がサーカディアンリズムの形成・修復に寄与する可能性を示す知見である.
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Research Products
(9 results)