2012 Fiscal Year Research-status Report
ソースコードの内容と記述特徴に着目した統合プログラミング授業支援システムの開発
Project/Area Number |
24700918
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
大野 麻子 大阪産業大学, 工学部, 講師 (90550369)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 教育工学 / ソースコード類似性検出 / 授業支援システム / 記述スタイル特徴 / ソースコード盗用発見 |
Research Abstract |
本研究では、統合プログラミング授業支援システムを開発し、その高精度の採点・盗用発見機能によりプログラミング授業における教員の肉体的・精神的負担を軽減することで、教員が授業改善に集中出来る環境を提供し、間接的にプログラミング授業の教育効果の向上に貢献することを目指す。申請者がこれまでに提案した「内容に基づく類似性検出手法」および「作成者の記述特徴に基づく類似性検出手法」を改良して類似性検出精度を高め、統合プログラミング授業支援システムに実装する。 1年目である平成24年度には次のことを行った。(1)「内容に基づく類似性検出手法」を改良し、より高度な特徴抽出を可能にした。具体的には、ネストの深さやメソッド数等のメトリクス値を併用することで、より詳細な類似度を検出・定量化できるようにした。 (2)「作成者の記述特徴に基づく類似性検出手法」については、出力結果の分析方法について検討を行った。また、本手法をコーディングスタイル教育に用いるための手法の試みを行った。具体的には、学生の作成したソースコードの一部を教師データとし、特定のコーディングスタイルによりフォーマットした上でモデルに学習させ、学生の記述スタイルを学習させたモデルとのパラメータ比較を行う手法の提案を行った。また、本システムの設計に着手し、サーバの準備を行った。 (3) 大学のプログラミング授業担当教員への聞き取り調査や受講学生へのアンケート調査を行い、「作成者の記述特徴に基づく類似性検出手法」による「他の学生との比較を行わない盗用発見」の適用による教員および学生の精神的負担の軽減可能性について検証した。また、プログラミング授業における教員・学生の精神的・肉体的負担について実態を調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画のうちシステム開発について、当初は初年度中にシステムの全体の設計を行いプログラミングを開始する計画でしたが、プログラミング授業担当教員との意見交換の中で、成果物として提出されるソースコードのみではなく、ソースコードの開発ログを採点に使用するなどの工夫を行っているという情報が得られました。これを受けてプログラミング授業課題採点や授業支援に携わる研究者との意見交換を行い、本研究で提案する二手法に加え他の手法を併用する形でシステムの設計が出来ないか検討しました。結論としては、既存手法の併用を行うことで本システムの設計に大幅な変更が必要となり、その為の開発コストの増加が結果として得られるパフォーマンスに見合わないと考えられたため、本研究では当初予定通りのシステム設計・開発を行い、関連する既存手法については提案手法のアルゴリズムの一部改善の範疇で引き続き適用を検討することとしました。 前途の事情によりプログラミング開始時期に遅れが出ましたが、本研究内容の充実化に大いに貢献する検討を行うことができ、また遅れ期間も想定範囲内であることから、全体の研究計画に支障はないと考えます。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は授業支援システムの開発と評価実験を中心に行う。また、平成24年度中に提案手法の改善を行った結果や既存手法との比較実験の結果を国内外の学会にて積極的に発表し、関連分野の研究者との意見交換を実施する予定である。また、プログラミング授業担当教員・学生を対象とした実態調査の結果を分析し、得られた知見をシステム開発に役立てる他、これまで一般的に用いられてきた工学的な指標によるシステム評価に加え、教員や学生の受ける精神的な負担の軽減について評価する新たな指標を提案し、これを評価実験に用いることで、より実用性の高いシステムの完成を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
概ね当初計画通りであるが、システム開発および分析補助の雇用に関わる費用が多く発生する見込みである。また、旅費については現時点で米国にて開催の国際会議における口頭発表を一件予定している。
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Research Products
(1 results)