2013 Fiscal Year Research-status Report
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24710040
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Research Institution | Center for Environmental Science in Saitama |
Principal Investigator |
濱元 栄起 埼玉県環境科学国際センター, 土壌・地下水・地盤担当, 主任 (40511978)
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Keywords | 地下温暖化 / 関東平野 / 地下水観測井 / 都市のヒートアイランド現象 / 地下水流動 / 熱伝導 / 熱伝導率 |
Research Abstract |
関東平野中央部に位置する埼玉県において引き続き地下温度調査を実施した。本年度新たに6地点(深谷北観測井・北川辺観測井・川島観測井・大利根観測井・浦和観測井・行田観測井)で調査を行い地下温度データを得ることができた。この測定では、0.001Kの分解能の温度計を用いており高精度なデータとなっている。さらに、関東平野の地下温度と他の地域のデータを比較することが必要不可欠であり、本年度大阪平野における都心部で他の共同研究調査に相乗りする形で地下温度調査を実施した。この結果大阪平野においても都市のヒートアイランド現象に起因していると思われる「地下温暖化」が進行していることがわかった。 解析面においては、昨年度東京都心(東京都心の東大本郷キャンパス内の観測井)の地下温度データの解析手法の検討を行った。この解析ではインバージョン(逆解析)を用いた手法を適用することで過去から現在までの地下温暖化履歴を推定することができた。本研究では特にベイズインバージョンを用いているが、先験情報としてのパラメータ設定の仕方によって、結果が異なるという性質があることから、現実の熱物性等を考慮してパラメータ解析を行い結果の誤差範囲がどれくらいかについても議論した。 地下熱環境を調べるうえで地下水流動が地下での熱移流の一因となっていることから地下水流動による影響を評価することが必要不可欠であり、本年度簡単なモデルで地下水流動と地下温暖化についての評価手法を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地下温度データの取得をはじめ、取得したデータの解析など概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究を進める中で他地域の地下温度データとの比較が重要であることがわかってきた。このため今後他地域におけるデータの取得にも努めていきたいと考えている。さらに地下水流動を考慮した地下熱環境の把握を行うためには、広域的な地下水流動のシミュレーションが必要不可欠であり、有限要素法や有限差分法による手法で、関東平野全域またはその一部をモデル地域とした解析を今後行うことが必要不可欠であると考えている。このような解析には国内外の事例を集めることが必要であり、積極的に国内外の学術会議等で情報収集を行いたいと考えている。また研究協力者である他の分野の研究者とも議論を行い、地質や地球化学の面からも地下温暖化について多角的に評価していきたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額が生じたもっとも大きな理由は「学術会議における成果発表」の変更である。平成25年度中に予定していた成果発表を、平成26年4月に実施された「ヨーロッパ地球惑星科学連合(EGU)(平成26年4月)」へと変更した。この意図は、本研究で大きな研究成果が出たため、この分野で世界的に研究が進んでいるヨーロッパ地域で成果発表することに大きな意義があると考えたためである。 平成26年4月に「ヨーロッパ地球惑星科学連合(EGU)」に参加し、本科研費の研究に関する3件の成果発表を行った。この会議には、研究代表者(濱元)に加えて研究協力者(八戸)にも本科研費の研究成果発表の一部と、今後の本科研費研究の遂行に必要な情報収集を依頼した。
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[Presentation] 地下温度分布から推定する地下の温暖化
Author(s)
濱元栄起, 山野誠, 後藤秀作, 八戸昭一, 白石英孝, 石山高, 佐竹健太, 宮越昭暢, 谷口真人, 有本弘孝, 北岡豪一
Organizer
日本地球惑星科学連合2013年大会
Place of Presentation
千葉市
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