2014 Fiscal Year Annual Research Report
臭素系難燃剤が精子の量と質の低下を引き起こす分子機構の解析
Project/Area Number |
24710069
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
宮宗 秀伸 千葉大学, 予防医学センター, 特任助教 (80422252)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 臭素化系難燃剤 / 内分泌かく乱物質 / 雄性生殖 / 精子形成障害 / 選択的スプラインシング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、Deca-BDE曝露によって生じる精子数減少の分子メカニズムを解析することを目的としている。平成26年度では、年次計画6) および7) にしたがい、Conputer-associated sperm analysis (CASA) を用いた、曝露成熟精子の運動能などの解析、ならびにCOMET assayやSperm chromatin structure assay (SCSA) によるDeca-BDE曝露マウス精子のクロマチン構造異常やDNA切断などの評価を行う予定であった。合わせて、Deca-BDEが引き起こす精巣における酸化ストレスの評価、甲状腺ホルモン受容体のスプライシングバリアントの発現異常を引き起こす分子機構についての解析を行うことを計画していた。新生児期ICRマウスに対して、Deca-BDEが皮下注射によって0.025から2.5 mg/kg/day の量で生後5日間連続投与され、12週齢において評価された。 1)Deca-BDEが甲状腺ホルモン受容体のスプライシングバリアントの発現異常を引き起こす分子機構について 我々は本項目で、甲状腺ホルモン受容体のスプライシングバリアントの発現異常が生じる際、hnrnpa1やSrsf1などのスプライシングファクターの発現異常が生じることを明らかにした。 2)その他の評価系について 研究の進捗において、Deca-BDE曝露マウスにおいてアンドロゲンレセプターの発現低下がみられたことから、精子形成障害のメカニズム解析を進めるにあたり、曝露マウスにおける血中testosterone濃度の測定が必須であると考え、これを実施した。結果として、精子形成障害が引き起こされる場合に、血中testosterone濃度が有意に減少することが明らかとなった。
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