2014 Fiscal Year Research-status Report
「防災共育」実現のための理論構築と地域社会での実践
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24710191
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
城下 英行 関西大学, 社会安全学部, 助教 (10581168)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 防災教育 / サイエンスコミュニケーション / 博物館学 / ワークショップ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、これまでの理論的研究を基盤として、大阪府津波・高潮ステーションをフィールドとした防災共育実現のための実践を開始した。本研究では、実践として地域住民と防災の専門家が防災学習施設の展示内容の改善を目的とした議論を行うためのワークショップ開催を計画している。また、当該ワークショップにおいては、進行補助役であるファシリテーターを大学生に担当してもらうことを予定している。 計画では、今年度に上述のワークショップを開催予定であったが、準備の都合上、年度内の開催が困難となった。そこで、2014年12月に20名の高校生を対象としたプレ・ワークショップを大学生の補助を得て開催し、大阪府津波・高潮ステーションを活用した防災学習プログラムについて検討を行った。また、次年度の本格的なワークショップ開催に向けて、運営上の課題を抽出した。加えて、ファシリテーターの研修方法についても検討を行った。なお、当該ワークショップの成果物として作成された防災学習プログラムは、実際に2015年3月に当該施設で一般市民向けに提供することができた。 以上に加えて、本研究では地域住民と専門家との協働実践の経過と成果を記録するためのツールの開発も行っている。これまでのところ空間情報の変遷を共有するためのWebGISの開発を行い、引き続き、議論の変遷を共有するためのシステムの開発を行っている。 以上の研究成果については、国際会議において発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2014年度は、防災学習施設において地域住民と専門家が協働するためのワークショップを開始する予定であったが、広報等の準備時間不足から年度内の開催が実現できなかった。一方で、高校生を対象としたプレ・ワークショップを行うことはできたので、この成果を基に2015年度中に本格的なワークショップを実施することで、研究の目的を達成できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間の延長申請を行い、引き続き、2015年度も科学研究費助成事業として研究を行うことが認められたので、昨年度以上にフィールドである津波・高潮ステーションとの連携を密にし、研究を着実に進められるようにする。また、最終年度であるので、これまでの研究成果をとりまとめ、発表、投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
本研究は、防災教育施設をフィールドとした実践的な研究を行うものである。研究計画時点で予定していたフィールドでの研究実施が困難となり、2014年度より別のフィールドでの研究を開始したため、実施状況が予定よりやや遅れていた。2014年度に新たなフィールドにおいて連続ワークショップを開催予定であったが、調整、準備に時間を要したため、年度内での完成が困難となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2014年度よりフィールドとしている大阪府津波・高潮ステーションにおいて、連続ワークショップを開催するため、ワークショップの運営補助者(ファシリテーター)に対する謝金ならびに文房具等購入のための消耗品費に支出する予定である。
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Research Products
(3 results)