2012 Fiscal Year Research-status Report
緊急時および平常時の聴覚障害者への防災情報の提供に関する研究
Project/Area Number |
24710198
|
Research Institution | Hyogo Earthquake Memorial 21st Century Research Institute |
Principal Investigator |
宇田川 真之 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構, 人と防災未来センター, 研究主幹 (20514128)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 防災情報 / 聴覚障害 |
Research Abstract |
洪水などの災害の危険を知らせる防災情報は、音声で伝達されることが一般的であり、聴覚障害者には届かない。また、高齢の聴覚障害者は、手話を第一言語とし、難解な文章による防災情報の理解は困難な者も少ない。そのため、易しい文章とイラストによるFAXなどでの情報提供が求められる。そこで、①聴覚障害者にわかりやすく、②適切に防災行動を促し、③行政機関が現実的に作成・発信可能な、文章とイラストによるFAX等の仕様を明らかにすることを目的とする。さらに、これら緊急時の情報保障のためのFAX等を平常時の啓発活動において活用し、聴覚障害者の自助的な防災力を向上させるための方法についても、試行を通じて明らかにする 本年度は、洪水、土砂災害および津波の危険時に市町村が伝達する防災情報として、避難指示・避難勧告・避難情報と、気象警報、および、これらの情報発表時にあわせて伝達する内容を対象として、淡路島をモデル地域とし、FAXのサンプル集を製作した。その際、①聴覚障害者にとって、わかりや内容の文章・イラストの仕様、および、②防災時の避災行動として、聴覚障害者にとって適切な留意事項、について明らかにした
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
水害、土砂災害、津波のすべての懸念のある兵庫県洲本市をモデル地域として、計画通り、日本語文章およびイラストとして適切な内容・仕様を策定することができた。これらの仕様の検討は、協力関係にある兵庫県立聴覚障害者情報センターから、当事者への案内や手話通訳者の派遣などの協力を受けて、障害当事者からのヒアリングを通して行うことができた。 ただし、当初予定していた、全国の関係団体へのアンケート調査は、これらの日本語文章およびイラストの案を作成後に、その紹介とともに行い、次年度に予定してたモデル地域の拡張を図る方針に、協力機関の兵庫県立聴覚障害者情報センターと協議の結果、変更した。
|
Strategy for Future Research Activity |
地震災害を含む災害発生後の復旧・復興期に、自治体から防災無線などの音声で住民に広報されることが多く重要性の高い情報(例:給水車の広報など)を選定する。選択した情報項目について、日本語文章およびイラストとして適切な内容・仕様を策定し、サンプル集を製作する。研究方法については、前年度の内容を踏襲するとともに、必要な改善を行い実施する。2.平常時に求められる聴覚障害者への防災啓発情報の提供方法や内容について明らかにする。 また、全国の聴覚障害者団体への防災情報の伝達状況の現状調査等および、作成したテンプレートへの意見聴取を行い、様々な地域特性に汎用的な知見を得ることとする。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
復旧・復興期の情報に関する情報文・イラストの作成のための作成経費、および、全国の関係団体へのアンケート実施に使用する。
|