2014 Fiscal Year Research-status Report
ソヴィエト的主体形成における所有と交換: スターリン期の公式文学研究
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24720149
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
平松 潤奈 金沢大学, 外国語教育研究センター, 准教授 (60600814)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ソヴィエト / ロシア / 文学 / 全体主義文化 / スターリニズム |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、上からの革命期(1920年代末~30年代前半)から盛期スターリン時代(1933-40年)にかけてのソヴィエト文学を経済的観点から考察し、また、20世紀初頭からスターリン期にかけての経済思想の変遷を把握した。 学会報告では、社会主義体制創出期の文化表象において、経済体制の転換と認識主体の変容がどのように関係づけられているかという問題を、ソヴィエト文学を対象に論じた。 また、所有の問題と関連し、20年代から30年代にかけての家族、異性愛、身体表象を扱った論文を手直しして完成させた(2015年度刊行予定の論文集に掲載される)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2014年度に行った学会報告について、これを論文化する作業が完了しておらず、成果発表が十分にできなかった。理論面での補強や周辺状況の把握といった準備作業に時間がかかり、また他の共同研究にも時間を割く必要があったため、遅れが出た。ただ今年度は、理論面や思想的背景について集中的に取り組み、本研究の対象とする時代全体にわたっての一応の筋道をつけたので、来年度の研究がやりやすくなったと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度には、国際学会での報告が予定されている。ここでの成果発表と研究交流に向けて、研究を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
研究がやや遅れ気味であったことと、また2015年度開催の国際学術会議(ICCEES 国際中欧・東欧研究協議会)に外国人研究者を招聘するため、一定の予算を確保しておく必要があるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に、上記の国際学会に関連した海外研究者の招聘のために予算を使用したい。また、資料収集や外国語による原稿の校閲などにも当てる予定。
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