2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24720204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
村上 謙 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (20431728)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 関西弁 |
Research Abstract |
明治大正期関西弁における標準語の影響について、基礎的研究を行った。大まかには、○曾我廼家五郎脚本資料のテキストデータ化、○曾我廼家五郎脚本資料の基礎的調査、○「標準語」受容に関する資料の収集、の3点である。それぞれについて以下に記す。 曾我廼家五郎脚本資料のテキストデータ化については、明治大正期関西弁資料として重要と目される「曾我の家五郎喜劇全集」全20編(1922-1923刊)から抽出した作品をテキストデータ化した。なお、入力は専門業者に委託したため、支出費目が「謝金」ではなく「その他」となったが、支出の趣旨は当初の予定通りである。 曾我廼家五郎脚本資料については、上演情報や本文批判などの基礎的部分の研究がいまだ不十分である。また、日本語学的見地からもその資料性が明らかになっていない。そのため、先のテキストデータなどを使いつつ、否定表現形式を中心に基礎的調査を加えた。また、その成果の一端として、埼玉大学国語教育学会2012年度例会(2013.2.9於埼玉大学)において講演「関西弁研究」を行った。なお、本講演は加筆などののち近々学術論文として刊行される予定である。 さらに、標準語についての研究状況を詳細に把握する必要性があり、そのための資料収集を行った。具体的には、明治中期以降の国語国字問題、言文一致運動関連資料、標準語政策関連資料を収集した。なお、本年度は研究旅行には行かず、その分の費用をデータ入力に回すことで、一層の効率化を達成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究の進捗状況は極めて良好である。その理由は、「曾我の家五郎喜劇全集」入力における入力量の豊富さと、入力精度の高さ、につきる。今年度は、pdfデータなどを援用して専門業者に依頼した結果、当初の予想よりもはるかに高い入力精度で入力が行えたため、訂正などにかかる時間的ロスが大幅に減らせた。また、入力単価も当初の予想より安価に抑えられたので、基礎的研究を行うに十分な入力量を確保できた。その結果、資料整備のみならず研究面においても予想より一歩先に進むことができた。また、発表の機会が何度か得られたことも当初の予想以上であった。
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Strategy for Future Research Activity |
この調子で進めたい。 なお、大まかには、研究期間全4年分のうち、基礎的調査に最初の2年、その後、それに基づく特殊研究を2年、と考えているが、この調子で進めば、特殊研究にも早めに着手できるかもしれないと期待している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(2 results)