2014 Fiscal Year Research-status Report
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24720204
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
村上 謙 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (20431728)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 関西弁 / 標準語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、「標準語」および「関西弁」について、様々な視点から分析する機会を得、また、それらを学術論文として公開する機会を得た。進捗状況はやや前倒しで進みつつあり、きわめて順調である。 その一端を記すと、まず、近世後期上方語(江戸時代後期の関西弁)における待遇表現形式のあり方を国立国語研究所が目下開発中の通時コーパスを用いて分析し、学術論文として公開した。その過程で、使用頻度の高い動詞上位50語などの選定を行った。これらは手作業では到底望めない画期的な知見であった。つぎに、戦前における近世語研究と、言語政策の一環としての「標準語」研究との接点について、明治後期以降の政治的イデオロギーという新たな視点で分析し、学術論文として発表した。これまでの近世語研究における常道であった、近世前期は上方語(関西弁)、後期以降は江戸語を中心に研究する、というあり方を再検討する良い機会であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初、学術論文の執筆、公開は最終年度と考えていたが、すでに数度にわたり公開できているから。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度は本課題の最終年度にあたるが、すでに学術論文の公開は果たしており、当初の目的は十分に果たしている。そのため、最終年度は今一度、初心に立ち返り、用例収集や資料調査などの基礎的作業に努め、新たな課題の発見につなげたい。
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Causes of Carryover |
2014年度は論文の執筆に大幅に時間を費やしたため、基礎データの収集が十分に行えなかった。これはうれしい誤算であったが、したがって、当初基礎データ収集用に予定していた補助金が余ることになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度は基礎データの収集に十分な時間をかける予定であり、2014年度の繰り越し分を含めて補助金の全額を計画的に執行する予定である。
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Research Products
(2 results)