2014 Fiscal Year Research-status Report
夫婦財産制の基礎的研究~婚姻形態の多様化に着目した比較法研究
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24730084
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
松久 和彦 香川大学, 法務研究科, 准教授 (90550426)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / ドイツ / ヨーロッパ / 夫婦財産制 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、研究実施計画に基づき、ヨーロッパ家族法における夫婦の財産関係に関する議論の考察を行った。昨年度は、ヨーロッパ家族法委員会(CEFL)の議論状況とドイツ・フランス両国の共通夫婦財産制を構築する条約の概要について検討した。昨年度の改正提案の報告に続き、具体的な立法提案、法技術的な問題点について示唆を得るべく、各国の法状況と比較しながら、日本の家族法改正の具体的な議論を進展させるために、シンポジウムにおいて報告した。特に、報告では、日常家事債務の連帯責任、居住用不動産の法的保護に限定して、報告を行った。いずれの問題点もかつては問題点が指摘されながら、最近は議論なされていなかった点である。各国の新たな動向を示すことで、日本で十分に検討されてこなかった議論を進展させる意義があるものと評価することができる。 これらの研究成果は、改正の必要性が指摘されながら、具体的にどのように立法提案を行うのか議論がなされてこなかった日本の家族法の議論に示唆を与え、今後より具体的な議論を進展させることのできるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究実施経計画に基づいて、研究を実施した。シンポジウムでの報告や論説等研究業績をあげることができ、おおむね順調に進行している。 しかし、昨年度よりも各論的考察を行えたものの、総論的考察との関連性や他の法制度と隣接する問題などより詳細な検討を要する問題については、十分に検討できていない。次年度においても、継続して検討を行いたい。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の研究実施計画に基づき、計画的に研究を遂行する。文献・裁判例などの分析を積極的に行い、平成26年度実施を見送った海内での実地調査や研究テーマをリードする研究者との交流を図る。また、学会報告等の機会を得ることができれば、これまで同様、積極的に報告する。
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Causes of Carryover |
物品調達の効率化などにより残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度の研究実施計画に基づき研究を推進し、学会報告等の支出として執行する。
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Research Products
(3 results)