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2012 Fiscal Year Research-status Report

宗教団体法制における聖俗分離をめぐる基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 24730085
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionKyorin University

Principal Investigator

藤原 究  杏林大学, 総合政策学部, 講師 (30612569)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywords法人 / 不法行為法 / 公益法人税制 / 宗教団体法制
Research Abstract

本年度は、3つあるサブテーマのうち、①宗教活動による損害の民事法上の取り扱い、ならびに②宗教団体の収益活動と税制上の取扱いの2点について主として検討を行なってきた。①のサブテーマは研究目的の一つである「宗教団体の活動による被害への団体の責任」を考える上で、必要なテーマであり、②のサブテーマは研究目的のうち「税制における『宗教活動』と『収益活動』」に対応するサブテーマである。
宗教団体がその活動の中で外的に被害を及ぼした場合の団体の責任についての検討は、その「損害」において、法律学(不法行為法)にとどまらず、他の学問分野からの検討も行った。特に宗教社会学の視点からは、宗教が独自に担っている社会貢献や社会的な弱者に対する支援の与える影響などについて、従来は検討されることのなかった新たな知見を得た。損害をどう位置づけるかは、宗教団体により被害を受けた者にとって認識が一般との間で最も乖離する部分であり、この点をクリアにすることは今後の被害救済のあり方を示す上で非常に重要な論点であると言える。
宗教団体と税制の問題については、収益活動と宗教活動とをどのように峻別するのかについて主に検討を行った。諸外国における宗教団体への課税の状況等について資料分析を行い、特に所得課税については一定のあるべき方向性について知見を得ることができた。今年度に得られた方向性を軸として、来年度はさらなる検討及び資料の分析などを通じて結論を得られるものと考える。宗教団体税制は原則課税、原則非課税の二者択一的な主張がなされがちであるが、こうした検討を通じて得られた新しい所得税課税の仕組みこそが、有るべき宗教法人課税の仕組みになりうるものであり、多面的な検討はあまり試みられておらず、その意義が十分にあったと考える。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

概ね、当初予定した通りのスケジュールで検討が行われているが、一部のサブテーマにおいて予定していた調査が遅れている。これについては、今年度に行うことで全体のスケジュールに影響をおよぼすこと無く進行する事が可能であり、問題はないと考えている。

Strategy for Future Research Activity

本年度は、当初の予定通り、②「宗教団体の収益的活動と税制上の取扱い」及び③「宗教団体運営の透明性と公益性」の2つのサブテーマを中心として検討を進めていく。②のサブテーマについては前年度の検討を踏まえて、景気動向と税収の関係から見る分析と宗教団体の経営状況について分析を行う。
③のサブテーマについては、宗教団体運営の透明性について現行法上の情報開示や公益活動の規模・状況について調査を行う。情報開示ついては主要な団体においてどの程度外部に情報を開示しているか、信徒とその他の間で度の程度差があるかについて調査を行う。また、公益活動については、外的な活動として宗教団体がどの程度行なっているかを調査する。
これらの検討を踏まえて、最終的な研究目的であるわが国の宗教団体法制を考える上で、必要な方向性や背景を明らかにし、有るべき法の姿をできうる限り明らかにしたいと考えている。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度の計画としては、調査会社を使ったアンケート調査を行う予定である。これにより、現在の国民の考える宗教団体の姿を明らかにするだけでなく、公益活動等がど程度認知され、必要とされているかという点を同時に明らかにすることが出来ると考える。
また、必要とする文献資料についてもまだ収集が完了しておらず、引き続き収集をする予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results)

  • [Journal Article] 葬儀・埋葬における現状と法的課題2012

    • Author(s)
      藤原究
    • Journal Title

      杏林社会科学研究

      Volume: 第28巻1号 Pages: 59-72

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] わが国における宗教法人法制の歩み2012

    • Author(s)
      藤原究
    • Journal Title

      杏林社会科学研究

      Volume: 第28巻2号 Pages: 15-30

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2014-07-24  

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