2014 Fiscal Year Research-status Report
権威主義体制のガバナンス向上と議会の役割に関する比較研究―湾岸産油国を中心に
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24730115
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Research Institution | Institute of Developing Economies, Japan External Trade Organization |
Principal Investigator |
石黒 大岳 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, その他部局等, 研究員 (30611636)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ガバナンス / 議会 / 選挙 / 政党 / 湾岸諸国 / クウェート / バハレーン |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画の3年目となる本年度の計画は、継続調査として、議会や選挙活動における野党勢力からの汚職批判や説明責任と透明性向上といった要求に対し、政府側の対応とガバナンス向上への取り組みについて分析をすすめること、前年度までの現地調査の後、分析を通じて生じた新たな問題点について確認のための現地調査を行うこと、研究成果をまとめて刊行するための準備に取り組むことであった。 継続調査については、前年度までの現地調査および収集した資料の分析を進めた。クウェートでは会計検査院とは別の汚職対策機関の設置が進められていたため、その設立過程や実際の職掌がどのようなものであるかについて収集した公開情報を整理し、現地調査で関係者に聞き取りを行って分析を進め、政府の取り組みとして評価できるものの、実際の権限に不明な部分が多く、実効性については今後の推移を見ていく必要があることが明らかとなった。バハレーンに関しては、2014年11月に実施されたバハレーン下院選挙の時期に合わせて、候補者の選挙活動についての参与観察を行い、またTransparency Society等の現地組織関係者や識者、議員経験者との意見交換を通じて、政府のガバナンス向上への取り組みに対する評価についておおまかな傾向を把握することができた。 研究計画の3年目にあたって、本年度はシンポジウムや海外学会での成果発表に注力し、研究成果をまとめるにあたって有益なフィードバックを受けることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度も資料収集と分析についての進捗はおおむね見込み通りであった。現地調査についても、一時は政治情勢も懸念されたバハレーンにおいて、研究協力者とともに調査を実施することができた。成果の発表の面では、今年度は海外での学会報告、国際シンポでの報告を行い、最終的な研究成果の取りまとめにむけて有益なフィードバックを受けることができた。以上から、現在までの達成度については総合的にみておおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果をまとめる段階にあるが、ジャーナルに投稿するにあたり、司法の役割に着目した類似の研究が最近になって出てきているため、研究動向に注意を払いつつ執筆作業を進めたい。
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Causes of Carryover |
平成26年度に予定していた成果発表のうち、国際学会での研究報告後、海外ジャーナルに論文投稿を予定していたが、執筆内容に関連した現地情勢の変化と、内容の類似したペーパーが先に発表されていることが判明したため、執筆内容の変更と次年度での投稿を余儀なくされ、当該論文についての英文校正費につき未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
未使用額は、改稿する投稿論文の英文校正費および改稿にあたって必要となる追加資料の購入費に充当する。
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Research Products
(2 results)