2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24730122
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
砂原 庸介 大阪大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (40549680)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 政党 / 選挙制度 / 政党システム / 地方議会 / 中央地方関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、これまでの研究のまとめを進めることを目標とした。まず、平成24年度に出版した『大阪-大都市は国家を超えるか』の問題意識を引き継ぎつつ、大都市それ自体のガバナンスと国家の中で大都市を統制するという意味でのガバナンスの相互作用を考慮しながら、日本における大都市制度の扱われ方について分析を行った。この結果は、「大都市をめぐる2つのガバナンス-大都市制度改革の困難」として、東京大学出版会から出版された『ローカルからの再出発』という書籍に所収されている。 また、「政党システムの制度化」概念を手がかりとして、1990年代までの自民党一党優位政党制から現在に至る政党システム移行過程の分析を試みるという、研究課題を総括する分析を進め、日本比較政治学会の共通論題で、「日本における制度改革と政党システムの制度化-一党優位政党制からの移行?」というタイトルで報告を行った。この分析では、国政では自民党と民主党の二党化が進展するのに対して、地方政治では都市部を中心とした部分的な多党化という現象が起きている点に注目し、その原因を1990年代の統治機構改革が生み出した国政と地方政治の執政制度・選挙制度の違いに求めた。その上で、国政と地方政治での制度のズレが、政党システムの制度化を阻害していることを明らかにし、とりわけ地方議会の選挙制度が制度化の重要な阻害要因であることを指摘した。 以上の研究を進めつつ、研究の過程で問題意識を持った地方議会の選挙制度という論点について活発なアウトリーチ活動を行った。一般読者向けに選挙制度を広く解説した『民主主義の条件』という著書を出版した他、『地方議会人』等の専門誌や新聞・ウェブジャーナル等の媒体に数多く寄稿している。
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