2012 Fiscal Year Research-status Report
破綻国家における平和構築と国家建設に資する一次産品のグローバル・ガバナンス
Project/Area Number |
24730138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
妹尾 裕彦 千葉大学, 教育学部, 准教授 (70451739)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 石油 / 資源の呪い / 破綻国家 / 脆弱国家 / 平和構築 / ガバナンス |
Research Abstract |
本年度は、3カ年計画の初年度ということで、まず、一次産品(とりわけ石油)・資源の呪い・グローバル政治経済・途上国政治経済などに関する経済系の文献や、平和構築・脆弱国家・世界秩序などに関する政治系の文献の収集と、その精査・検討に重点を置くこととなった。また、石油に関するシンポジウム等に出席し、研究動向等の把握にも努めた。さらに、国際経済論・国際関係論・国際開発論の研究者との間で、情報交換・意見交換・ディスカッションを行なった。しかしながら、諸般の事情により、当初に予定していた計画からの遅延を余儀なくされたため、進捗と方向性についての調整を図ったものの、思うような成果を挙げられなかったことも、事実である。 具体的には、今年度は以下のような成果となった。第一に、《先進国による途上国への政治的・経済的介入》について、その系譜学を、国際政治学における人道的介入に関する先行研究はもちろんのこと、国際法・思想史・開発学等の先行研究も参照しながら、探求した。第二に、新興国が多数台頭する21世紀のグローバル・ガバナンスの特質と構造を把握するために、これに関するグローバル政治経済論等の先行研究を読み進めながら、諸議論の整理と理解に務めた。また、これについての試論的なペーパーをまとめるべく、予備的な作業を進めた。第三に、これまでの研究成果の一部を、日本国際経済学会にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
諸般の事情により、当初に予定していた計画からの遅延を余儀なくされた。その最大の要因は、エフォートを大幅に低下させる社会的活動に、大きく注力することとなったからである。
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Strategy for Future Research Activity |
エフォートを大幅に低下させる社会的活動に注力しているため、当分の間、研究のスピードが低下した状態が続く。ただし、平成25年度夏までには、この状況を脱することができる見込みなので、以後は、研究のスピードを上げていきたいと考えている。文献の検討はもちろんのこと、調査やヒアリング等も、必要に応じて進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
繰り返し述べている通り、エフォートを大幅に低下させる社会的活動に注力した結果、当初に予定していた計画からの遅延を余儀なくされたため、当初の予定よりも研究費を使用しなかった。 次年度は、前年度に調整をはかった方向性をふまえ、まず、新興国が多数台頭する21世紀のグローバル・ガバナンスの特質と構造についての試論的なペーパーをまとめられればと考えている。また、「資源の呪い」を軸としながら、石油をめぐるガバナンスを探求したい。さらに、カカオをめぐるガバナンスについても、文献による研究はもちろんのこと、関係者へのヒアリング調査などを行なうことも視野に入れている。
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Research Products
(1 results)