2014 Fiscal Year Annual Research Report
破綻国家における平和構築と国家建設に資する一次産品のグローバル・ガバナンス
Project/Area Number |
24730138
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
妹尾 裕彦 千葉大学, 教育学部, 准教授 (70451739)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | カカオ / 石油 / インドネシア / アフリカ / 一次産品 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、以下のような成果を得られた。 第一に、熱帯産一次産品農産物の一角を占めるカカオに関しては、インドネシアのカカオ産業が現在直面している危機と今後の変容の方向性を歴史的視角から解明した前年度までの研究成果を、英語の論文として纏め、海外の学術雑誌へ投稿したところ、採択され、これは年度内に刊行された。また、日本国際経済学会の全国大会などの場において、この研究成果の内容を報告した。 第二に、世界経済において最も重要な一次産品である石油に関しては、アジア経済研究所、JETROビジネスライブラリー、および東大工学部などの図書館・図書室を訪問して、埋蔵量などに関する統計データを収集し、長期データベースを作成したほか、海洋石油開発にかかわる資料を入手して、その史的展開を検討した。 第三に、石油に関して、近年のシェール開発に関する諸議論のほか、USGSなどによる資源評価の研究や、世界の石油開発プロジェクトの動向などを精査した。そのうえで、超長期的な石油の利用・消費の見通しに関する分析を行ない、この分析を踏まえて、近未来に石油が枯渇するという誤った認識に基づく文明縮小論の問題点を検討した。さらに、以上の成果を論文として取りまとめ、大学の紀要に投稿した結果、年度末に刊行されるに至った。 第四に、アフリカにおける穀物の生産をめぐる諸動向にかかわって、現地の農業事情をふまえつつ、FAOによるデータの解析作業を行なった結果、幾つかの基礎的な知見と、今後の分析上の課題を得た。 なお、一次産品・資源の呪い・グローバル政治経済・途上国政治経済などに関する文献の精読も、前年度に引き続き行なったほか、国際経済論・国際関係論・国際開発論の研究者との間で、研究会を持つなどしてディスカッションにも努めた。
|
Research Products
(3 results)