2013 Fiscal Year Research-status Report
発明者・研究者レベルのデータを用いた研究生産性の決定要因に関する研究
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24730229
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
大西 宏一郎 大阪工業大学, 知的財産学部, 講師 (60446581)
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Keywords | 発明者 / 生産性 / 内発的動機 / 特許 / 金銭的報酬 |
Research Abstract |
企業所属研究者に対する成果に応じた金銭的報酬が日米欧でどのように用いられているのかや、彼らの内発的動機を通じて、彼らの研究の方向性や研究成果にいかなる影響を与えているのかを実証的に研究している。本年度中はこの分野で先行研究のサーベイやデータ構築、若干の分析を行った。 現段階では、先行研究及び発明者サーベイの調査結果の両方で、発明活動においては内発的動機が重要なモチベーションとなっていること、そして、そのような内発的動機が優れた発明を生む原動力となっている可能性を示す結果を得ている。一方で、現在までの実証研究では、発明者に対する成果に応じて金銭的報酬も、支払い対象となる成果を増加させていることを示唆する結果も得た。ただし、後者の結果は「対象となる成果」が増加することのみを意味しており、内発的動機のクラウド・アウト効果やマルチタスキングの問題が起きている可能性は否定できない。実際、追加で進めている内発的動機と金銭的報酬の関係の分析では、成果自体にはマイナスの影響を及ぼさない一方で、研究の方向性をサイエンスベースの基礎的な研究からより実現可能性が高い研究のゆがめる可能性を示唆する結果を得ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在のところ論文2件掲載済み、1本が投稿中、2本分析・執筆中でありこれらも今年度中には投稿可能と思われる。これら論文によって当初予定していた研究計画通りに進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、分析・執筆中の論文である内発的動機付けと金銭的報酬の関係に関する分析、及び研究者の研究費の受領と生産性の研究を仕上げ、査読付き雑誌に投稿する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
海外出張費用が予想よりも安価であったために生じた。 本差額と次年度の助成金を合わせて共著者との打ち合わせのための旅費、論文執筆後のネイティブチェック及び投稿費用に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)