2013 Fiscal Year Research-status Report
サービス部門の外国直接投資の国内雇用及び賃金への影響に関する研究
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24730234
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
田中 鮎夢 摂南大学, 経済学部, 講師 (20583967)
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Keywords | 外国直接投資 / 雇用 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、外国直接投資の効果について、既存研究の検討をはじめ、研究を進めた。外国直接投資によって国内雇用が減少するのか否か、先行研究の展望を行うと、外国直接投資が雇用を減らすとはいえないと考えられる。国内外の実証研究を展望すると、外国直接投資によって国内雇用が減少する証拠は比較的乏しい。たとえば、外国直接投資の他に外国生産委託を含む広い意味での海外生産(offshoring)についての数多くの研究を検討したうえで、Wagner (2011) は、海外生産が雇用に及ぼす影響はほとんどないか、あっても小さな正の効果ではないかという仮説を提示している。 日本のみならず、ドイツやフランスをはじめとする国々で、外国直接投資によって国内の雇用が減少するか否かは関心をもって検討されてきた。それらの研究の多くは、外国直接投資は必ずしも国内雇用を減少させないという結果を示している。 外国直接投資が国内雇用を減少させない理由についても検討を行った。その成果は、「製造業の空洞化:外国直接投資によって国内雇用は減少するのか」(経済産業研究所連載コラム, 2013)、「Is the negative impact of FDI real? Empirical evidence from Japan」 (Vox column, 2013)などにおいて報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、外国直接投資が国内雇用に与える影響について研究を深めるとともに、研究に必要となる『経済センサス』『事業所・企業統計』『賃金構造基本統計調査』の利用申請作業を進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度、利用申請作業を行った『経済センサス』『事業所・企業統計』『賃金構造基本統計調査』の3統計の利用許可がおりた。 今後、これら3統計を接合し、分析の基礎となるデータを構築すること、分析作業を進めていくことに注力したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
論文改訂に時間を要したため、英文校正費用・旅費の支出が行われなかったためである。 英文校正費用・旅費等として、用いていきたい。
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