2013 Fiscal Year Research-status Report
アートプロジェクトを媒介とした地域社会における交流と社会的活動に関する実証的研究
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24730419
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
小泉 元宏 鳥取大学, 地域学部, 講師 (60625234)
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Keywords | アートプロジェクト / 地域社会 / アート / 関係性 / 協働 / 社会運動 / 国際美術展 |
Research Abstract |
本年度は、前年度から実施して来たアーティストやキュレーターら、アートプロジェクトの実施者に対するフィールドワークやインタビュー調査に加えて、アートプロジェクトにかかわる地域住民らに対する調査票を用いた調査や、インタビュー調査の実施を中心的に実施して来た。その結果を、昨年度までのデータも含めて分析するとともに、アートプロジェクトをめぐる主体別の文化的嗜好性の違いや、社会・文化活動の範囲の違いなどがアートプロジェクトの成立や継続に与える影響について分析・考察を加えていった。また、アートプロジェクトの実施が、地域住民らの社会・文化活動に与える変化についても検討を加えた。以上を通じたこれまでの研究成果の一部は、国内外の国際会議・学会、および国際セミナー(Cultural Strategies and Urban Regeneration: Policy Innovation from the Grassroots in East Asia [韓国・韓国国土研究院における研究発表]、The 112th American Anthropological Association [アメリカ・Hilton Chicagoにおける研究発表]、The University of the Arts London Research Centre for Transnational Art, Identity and Nationにおける研究発表・セミナー)を通じて発表するとともに、分析内容に対する妥当性に関する議論を深めてきた。また、市民講演や公開研究会等を通じて、その成果を社会還元してきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象とする地域社会に展開するアートプロジェクトという事例の活動発展の方向性を踏まえ、当初の計画と比べてるとどちらかといえば質的調査を重視しながら研究を進めているものの、全体としては概ね順調に計画が進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度においては、概ね前期までに総合的な分析を終えるとともに、アートプロジェクトに関わる諸主体に対して補足的なインタビュー調査等を実施する。また引き続き学会や研究会等を通じて、発表と批判を重ねることで考察を深め、質の高い論文や書籍の執筆を目指す。以上を経て、最終的には社会学系および文化政策系の国内外学術雑誌等への投稿を試みて行く。なお、研究成果は広く社会に還元するため、引き続き市民公演、公開研究会、ホームページなどを利用し、その成果を発信していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度来のアートプロジェクトの事例調査において、当初の予想と比べ、地域社会に展開するアートプロジェクトが地域住民の生活や暮らしにより密接に関わっていく傾向が見て取れた。したがって、集中して深く掘り下げるべきインタビュー対象や参与観察対象がある事、すなわち、より継続的かつ長期的な対象の観察が必要であることが明らかとなった。このような研究遂行上の事由により、次年度にわたる調査研究期間を設ける必要性が生じたため、次年度への繰り越し使用を行うこととした。 上記の通り、より質的な調査を重視して調査を行う必要が生じたことにより、旅費等の一部項目の支出が増える可能性がある。細かな使用計画を練って使用に当たることとしたい。
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Research Products
(4 results)