2012 Fiscal Year Research-status Report
多文化共生の民族祭りにみる存在の政治と人間関係形成の事例研究
Project/Area Number |
24730427
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Fukuyama City University |
Principal Investigator |
山口 健一 福山市立大学, 都市経営学部, 講師 (90614149)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 社会学 / 多文化共生 / 差別・排除 |
Research Abstract |
東九条マダン実行委員会に継続的に参加し、そこでの各班(出店班、美術班)への参加観察とメンバーとのラポール形成をおこなった。東九条マダン当日には、出店班に所属しつつ参加観察を行った。それらの活動を通じて、新たなまつり担い手(3名)にインタビューの了解を得た。 当該研究の推進に向けて、多くの実践者・研究者たちとのネットワークを形成した。具体的には、分析視角と方法論についての研究会へ参加し、民族まつりの研究会へ参加し、他の祭り研究者やマイノリティ研究者とのネットワークを形成した。それらにより、当該研究の俯瞰的な位置づけや理論・思想的な位置づけの深化を得た。また東九条マダンに参加しうる実践者たちとの交流を行い、彼ら/彼女らが東九条マダンに参加するに至るとともに、東九条マダンに対する外部者のイメージの一端を理解することができた。 「多文化共生の民族まつり」の現代日本社会的な意義を探究するために、その探究に該当する諸文献を精読した。その作業を通じて、当該研究の社会学的意義と日本社会における重要性について知見を深めることができた。 これまで収集してきたデータのグラウンデッド・セオリー法を用いた整理分析を始めた。その際には、当該年度の活動において得た知見をもとに、改めてデータ全般(特にインタビューデータ)を整理しなおした。特に東九条マダンの源流をなすハンマダンと東九条マダンの関連を、当該年度の東九条マダンへの参加観察を通じて、さらに深めて考察する見通しがたった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
出店班への参加を通じて出店班メンバーへのラポールを形成したが、まだ各出店の出店者にインタビューを依頼するところまでには至っていない。その理由には、出店者は、東九条マダン実行委員会メンバーとは、ある意味異なる帰属感を持っているからだと考えられる。今後とも、継続的な参加観察を通じて、インタビュー依頼の機会をうかがわなくてはならない。 データの再整理を通じた結果、特に在日コリアン社会やローカルな地域社会、日本社会の文脈と東九条マダンとの関連を抑えるうえで、出店者以外にあと数人にインタビューをする必要が生じた(ただしこれはインタビューの依頼を行い了承を得ている)。
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Strategy for Future Research Activity |
東九条マダンへの継続的な参加観察を通じて、出店者へのインタビュー依頼と、補足的なインタビューを実施する。 インタビューデータの整理分析をさらに精緻化して進め、論文を作成する。 形成した実践者・研究者のネットワークをさらに拡充しつつ、研究会等の機会で当該研究の報告を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
東九条マダンへの継続的な参加観察を行う。出店者へのインタビューの機会を伺いつつ、補足的なインタビュー(3名)を実施する。 インタビューデータの整理分析を、グラウンデッドセオリー法を用いてさらに精緻化して進め、論文を作成する。 形成した実践者・研究者のネットワークをさらに拡充しつつ、研究会等の機会で当該研究の報告を行う。 東九条マダンの祭り当日の表象形態を分析するため、当日の祭り空間の資料(写真、文章、メンバーの考えの語り等)を収集する。
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