2014 Fiscal Year Research-status Report
「親力」向上にむけた行政の取組み―父親や祖父母も対象にした包括的な親支援のあり方
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24730478
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
齋藤 嘉孝 法政大学, キャリアデザイン学部, 准教授 (20424054)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | プログラム評価 / 親支援施策 / 父親・祖父母 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014(H26)年度の研究成果は、次の通りである。 ①初年度と2年目同様、関連する先行文献をできうる限り探し、実際に入手した。3年目である昨年度つまり2014(H26)年度は、とりわけ英語圏で出版されたもの、かつ親むけプログラムを実証的に効果検証しているもの(できる限り父親や祖父母むけのもの)を積極的に入手した。それらを参考にすることによって、自らが英語論文として国際誌に投稿できるように準備を進めた。 ②2年目(2013(H25)年)に実施した全国自治体等調査(教育委員会および子育て支援関連部署宛て)のデータを用いて、統計分析を進めた。論文に掲載できるよう、単なる集計でなく、過去の既存研究の結果を踏まえた上で検証を進めた。 ③プログラムの利用者側に対する調査として、祖父・祖母・父親・母親という4層に対して、質問紙調査を実施すべく準備を進めた。質問内容を検討し、実際に作成・印刷した。また、調査設計・企画として、どのような形で一定数からの回収を見込んだ調査の実施が可能か詳細に検討し、実際に調査を行った。量的データが収集された。 ④成果物として、以下(a)(b)の拙稿にまとめた(いずれも単著)。(a)「ペアレンティング・プログラム実施者にむけた実践的示唆 ― 行政による父親むけプログラムに関する全国調査の結果から」『生涯学習とキャリアデザイン 法政大学キャリアデザイン学会紀要』13: 101-107、(b)「昨今の父親むけプログラムを対象とした国内外の既存研究レビュー―効果評価に関する学術的・実践的示唆」『生涯学習とキャリアデザイン 法政大学キャリアデザイン学会紀要』14。また、随時、国内外の文献やマスメディア内容からも情報収集をおこない、親や祖父母の今日的現状の把握にも努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在まで、当初の計画はおおむね順調に進展していると考える。それは以下の点からである。①当初目標としていた関連文献(既存研究)に関しては、国内外から入手できており、実際に読み進められている。自らの調査研究の方向性に役立つものが入手できている。②自治体等へのヒアリングに関して、必要に応じて進められている。ヒアリングによって聞き出した内容も、これまでの拙稿にまとめることができた(研究実績の概要参照)。③全国自治体への郵送調査を、予定通り実施することができ、その成果物としての量的データを分析している。英語論文での国際誌への投稿にむけて、分析を進めている。その暫定的なデータ集計の研究紹介は、拙稿に随時まとめている(研究実績の概要参照)。④プログラム利用者側への調査も、無事に企画、実施することができた。一定数の回収を得ることができ、分析をおこなうことができる水準のものになった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究について、申請時に記した内容をもとに進めていく。現在までに大幅なズレは生じていないので、このペースで進めることによって、最終年度での計画の遂行は可能だと考えている。最終年度(H27)の計画は、以下のとおり。 ①フォローアップ調査の実施(これまでの2つの量的調査について)。②データ分析を継続的に実施。③2つの量的調査から得られた情報をもとに、論文執筆・投稿。随時、学会報告。同時に、報告書の作成、研究知見の概要を掲載するパンフレット作成、新聞社へのリリース、書籍化にむけた企画等。
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Causes of Carryover |
2014年度に計画していた調査等は順調に進んだが、予想よりも抑えた額で実施することができた。その差額ぶんを、さしあたって使い切る理由が見当たらなかったゆえ、2015年度にも他に使用理由があるため(フォローアップ調査等)、そこにできる限り残しておきたいと考えたことなどから、次年度(2015年度)に持ち越すことにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記のとおり、2015年度に計画している用途に使用する予定である。どれほどの額を要するか具体的に読み切れない部分もあるため、費用を確保しておいた次第である。
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