2013 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ語圏における赤ちゃんポストと緊急下の女性に関する研究
Project/Area Number |
24730498
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Research Institution | Chiba Keizai College |
Principal Investigator |
柏木 恭典 千葉経済大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (80461771)
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Keywords | 赤ちゃんポスト / 緊急下の女性 / カトリック女性福祉協会 / シュテルニパルク / 国際情報交換 / ドイツ / 母子救済 / 捨て子プロジェクト |
Research Abstract |
平成25年度は、平成24年度に蓄積されたデータや資料を基に、本研究者の立場である教育学・児童福祉学の視点からの解明を行った。この赤ちゃんポスト問題が、母子やその子育てを支える行政機関(主に児童相談所)や各学校機関に投げかけているものを明らかにし、さらに現行の支援体制の反省を試みた。 また、ドルトムント大学のウーレンドルフ(U.Uhlendorf)氏からも、社会教育学的見地からの指導を実際に受けた。ドイツの社会教育学と赤ちゃんポストをはじめとする匿名の母子支援プロジェクトには、その根底において深い関連があることが分かってきた。 また、前年度同様に、母子救済プロジェクトを行っている各団体へのインタビュー調査も継続して行った。夏の訪欧では、シュテルニパルクの現代表であるライラ・モイズィッヒ氏との対談、インタビューも実現できた。 これらの研究の成果として、平成26年3月に、この問題を包括する研究報告書を作成した。 平成25年5月に、『緊急下の女性と赤ちゃんポスト-未完の母子救済プロジェクト』(北大路書房)を出版し、本研究の成果を公刊することもできた(なお、この書の出版に対する助成金等は一切ない)。 既に上述したが、本研究者はおよそ7年前からドイツ語圏での赤ちゃんポスト研究を行ってきており、シュテルニパルクやカトリック女性福祉協会の運営者やそのスタッフの協力を得てきた。本研究は、そうした彼女たちの協力を得ながら、深くこの問題の記述・解明を行うことができた。また、現地の研究協力者として、ウィーンの離婚調停員であり、離婚児のケア実践・研究を行っているシュトロバッハ(S.Strobach)氏の支援を受け、ウィーンのヴィルヘルミーネン病院の赤ちゃんポストの二度目の視察、現地調査を行うこともできた。
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Research Products
(3 results)