2016 Fiscal Year Annual Research Report
Longitudinal relations between clinical problem behaviors in preadolescence and emotion regulation in early childhood
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24730612
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
鹿島 なつめ 西南学院大学, 人間科学部, 准教授 (80442408)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 不安・抑うつの非連続性 / 非行・攻撃的行動の遷延 / 人間関係と不安・抑うつ / 追跡調査 / 幼児期 / 児童期 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、3歳から6歳の幼児期に縦断データを得た被験児を対象に、就学から前思春期にかけての適応と学校生活の様相、抑うつ・不安の程度について縦断的検討を行うことであった。 前研究最終調査時に本研究への継続参加を了承してくれた被調査児と養育者は77組であり,そのうち小1から小4にかけて追跡できた被調査児と養育者は28組であった。 6歳時外向尺度臨床群(CBCLT得点60以上)と非臨床群のCBCL外向尺度の平均得点は4年間有意な差が存在し,年度が上がるにつれて差が広がる傾向が見られた。4歳時の否定的感情制御の幼児期の臨床的な非行・攻撃的問題行動発達への影響(未発表)が児童期に入っても継続していると考えられた。 一方,6歳時内向尺度臨床群と非臨床群のCBCL内向尺度の平均得点の差は9歳以降で有意ではなくなった。同様にDSRS-C(バールソン抑うつ尺度)も8歳時には6歳時内向尺度臨床群と非臨床群間で有意差が見られたが,9歳以降で有意な差ではなくなった。 以上より,幼児期に見られた臨床的な非行的・攻撃的行動の問題は児童期にも継続していくが,幼児期の臨床的不安・抑うつの問題は9歳を境に6歳時臨床群と非臨床群の差はなくなっていくと考えられた。人間関係の発達からしても10歳前後は重要な人間関係が親子関係から仲間関係へ変化する時期であるため,QUとDSRS-C,CBCL内向尺度との関連を検討したところ,9歳以降でQU「友達関係」,「学級の雰囲気」,(同級生からの)「承認得点」,「被侵害得点」とDSRS-C,CBCL内向尺度との有意な相関が多数出現した。このため,児童期の不安・抑うつの問題は幼児期からの延長ではなく,児童期の友人関係や学級の雰囲気の影響が大きいと示唆された。今後モデル化し表わすこととする。児童期のCBCL外向尺度とQUの各尺度との関連ではこの傾向は見られなかった。
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Research Products
(1 results)