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2013 Fiscal Year Research-status Report

動物の因果推論における時間情報の役割

Research Project

Project/Area Number 24730627
Research InstitutionSenshu University

Principal Investigator

澤 幸祐  専修大学, 人間科学部, 教授 (60407682)

Keywords因果推論 / 時間学習 / 古典的条件づけ / 連合学習 / 自己主体感
Research Abstract

本年度は、昨年度に用いていた因果推論事態において、テスト時のレバー押し反応とそれに続く結果事象との時間関係を操作し、ラットやデグーのような小型げっ歯類においても、自らのレバー押し反応と結果事象との間に時間的なギャップがある場合には「これは自分の反応によるものではない」といった"sense of agency"のようなものが観察できるかを検討した。訓練手続きに関しては平成24年度の研究と同様であるが、テスト時にはレバー押しに随伴する刺激(Event 2)の提示タイミングを系統的に操作した。具体的には、レバー押し反応と結果事象提示の間に500ms、1000msの遅延時間を挿入し、因果推論の成績を検討した。
これまでの研究から、レバー押し反応と結果事象の間に遅延がない場合には、因果構造に対して自らの反応が介入したことによって因果関係の知覚が減弱し、エサに対する予期的反応が減弱する。その結果、レバー押し反応と結果事象の間に遅延時間がない場合に比べて、因果関係の知覚が弱くなることを示す結果、すなわち介入による因果推論の効果が減弱し、エサに対する予期的反応が高く維持された。あわせて、昨年度に問題となった刺激モダリティの影響に関する追加検討を行い、訓練時に用いる試行における刺激間の時間関係について、安定的な結果を得るパラメータの検討を行い、パラメータの特定を行った。
動物、とくに小型げっ歯類におけるagency研究は決して進んでいるとは言えず、今回の研究成果は極めて貴重なものと考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

前年度に問題となった刺激モダリティによる結果のばらつきに対応するパラメータの特定を行ったうえで、当初計画通りにテスト試行における事象間の時間関係の操作を行う研究を遂行することができた。結果の蓄積に関しては当初計画通りに進んでいるものの、学会発表や論文執筆については十分な成果をあげたとは言えない部分があり、こうした評価とした。

Strategy for Future Research Activity

当初計画にあげた研究についてはおおむね遂行できており、今後はこれまでの成果を学会において発表するとともに、査読付き論文として公刊することを目指す。あわせて、これまでの研究で得られた知見を、臨床応用などの事態に適用するためにエサを用いた研究のみでなく、嫌悪刺激を用いた事態で検討することや、異なる因果モデルを用いた検討を行うことで、研究の発展を目指す。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

昨年度の結果を踏まえ、今年度では刺激モダリティに関する検討を加えるためにスピーカ等の購入を予定していたが、既存の設備を用いた検討で十分な成果を得たために、これらの物品購入を見送った。また、国際学会等での発表を予定していたが、本務校での業務日程との調整が困難な部分があり、旅費の支出が行えなかったことが原因である。
既存の実験設備を用いて研究の遂行は可能であると考えられるため、実験設備への支出を行う予定は現時点ではないが、データの分析や論文の執筆、学会やセミナーでの研究成果公表に関連した支出を行う予定である。

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Published: 2015-05-28  

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