2012 Fiscal Year Research-status Report
理科カリキュラムにおける科学論的内容の適時性に関する研究
Project/Area Number |
24730746
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokiwa University |
Principal Investigator |
鈴木 宏昭 常磐大学, 人間科学部, 助教 (90581843)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 理科教育 / 科学論的内容 / Nature of Science |
Research Abstract |
米国・英国等における科学論的内容の適時性に関する基本的枠組みの解明 米国、英国等の科学論的内容に関する理科カリキュラム・教材・実践方法に関する資料・情報を収集し、それぞれの国の理科教育における科学論的内容適時性に関する基本的な枠組み(各国がどの内容をどの学年で教えているか、またその根拠は何か)等々を解明した。 米国・英国の理科カリキュラムを分析する際の観点は、多様である。カリキュラムの構成のための教育学的観点はもちろん、社会・文化的な観点なども含まれる。そのような様々な観点から、理科教育における科学論的内容教授の適時性を解明するための分析枠組みを検討した。具体的には、カリキュラムを分析する観点として、科学、技術、工学、数学の学際的な分野であるSTEMを事例として取り上げ、分析した。 米国・英国等における科学論的内容の教授・学習に関する基本的枠組み(カリキュラム・教材・実践方法)を解明するため文献調査を行う。具体的には、米国・英国等の理科カリキュラムに関する文献、科学史・科学哲学・科学社会学に関する文献、理科教科書・教材(指導書・ワークシート)等を対象とする。今年度は、英国における科学論的内容に関する指導の実態を科学論的内容に関する教材分析から明らかにした。 国内の理科教育学に関する研究者・専門家と研究結果に関する研究協議を積極的に行い、研究結果の信頼性および妥当性の向上に努めた。平成24年度は、研究初年度であることから、本研究に関連する学会(日本理科教育学会、日本科学教育学会)に参加し、情報収集を行った。また、学会等に参加することにより、研究者間のネットワークの構築に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
米国・英国等における科学論的内容の適時性に関する基本的枠組みの解明については、欧米における科学論的内容の指導に関する文献と中心に文献調査を行い、おおむね順調に進めることができた。 米国、英国等の科学論的内容に関する理科カリキュラム・教材・実践方法に関する資料・情報を収集し、それぞれの国の理科教育における科学論的内容適時性に関する基本的な枠組み等々を解明することについては、欧米各国の教材入手に時間がかかったものの、 英国に関しては、教材を分析することまで研究を進めることができた。 国内の理科教育学に関する研究者・専門家と研究結果に関する研究協議を積極的に行い、研究結果の信頼性および妥当性の向上に努めた。また、学会等に参加することにより、研究者間のネットワークの構築に努めた点では、当初の予定以上に研究を進めることができた。このことにより、今後さらに研究を進めていくうえで、または研究が困難に落ちいた際、有益なアドバイスといった専門的知識を提供してもらえるネットワークを構築することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
第1に、平成24年度の知見を踏まえて、日本の理科教育における科学論的内容に関する効果的なカリキュラムモデルを開発することである。。その上で、開発したカリキュラムの有効性を研究協力者(国内外の理科教育学研究者)および小・中学校の理科教師とともに検討する。その際、教材等も合わせて開発する予定である。 そのほか、日本の小学生・中学生の科学論的内容に関する理解度調査・分析、及び問題点の把握をすることを検討している。そのため、日本の小学生・中学生の科学論的内容に関する理解状況を、アンケート調査やインタビュー調査(茨城県内公立協力校)から分析し、その特質を明らかにするとともに、日本の小・中学生の認知発達状態と理科の教育内容としての科学論的内容の適合を調査する。調査観点および分析結果は、平成24年度で得た知見を活用する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度も引き続き、欧米における科学論的内容の指導に関する研究の進捗状況を探るため、関連文献を購入する。また、昨年度から得られた知見をまとめるための備品や消耗品等を購入する予定である。そのほか、昨年度の研究によって得られた知見を発表するため、また、さらなる情報収集、研究ネットワークの構築のため、関連学会(日本理科教育学会、日本科学教育学会、教育実践学会など)に参加する予定である。研究データの整理等に人件費を使用する予定である。
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