2013 Fiscal Year Research-status Report
理科カリキュラムにおける科学論的内容の適時性に関する研究
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24730746
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Research Institution | Tokiwa University |
Principal Investigator |
鈴木 宏昭 常磐大学, 人間科学部, 助教 (90581843)
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Keywords | 理科教育 / 科学論的内容 / Nature of Science |
Research Abstract |
昨年度から引き続き、米国、英国等の科学論的内容に関する理科カリキュラム・教材・実践方法に関する資料・情報を収集し、それぞれの国の理科教育における科学論的内容適時性に関する基本的な枠組み等々を解明した。 研究2年目である今年度は、昨年度の知見を踏まえて、日本の理科教育における科学論的内容に関する効果的なカリキュラムモデルを開発した。その上で、開発したカリキュラムの有効性を研究協力者(国内の理科教育学研究者)および小・中学校の理科教師とともに検討した。ただし、研究計画では教材等も合わせて開発する予定であったがその点は未だ不十分である。 その他、日本の小学生・中学生の科学論的内容に関する理解度調査・分析、及び問題点の把握を行った。具体的には、日本の小学生・中学生の科学論的内容に関する理解状況を、アンケート調査やインタビュー調査(茨城県内公立協力校)から分析し、その特質を明らかにするとともに、日本の小・中学生の認知発達状態と理科の教育内容としての科学論的内容の適合を調査した。 国内の理科教育学に関する研究者・専門家と研究結果に関する研究協議を積極的に行い、研究結果の信頼性および妥当性の向上に努めた。今年度は、昨年度の研究成果を中心に本研究に関連する学会(日本理科教育学会、日本科学教育学会)に発表した。その際、本研究に関わる研究動向などについて情報収集を行った。また、継続して学会等に参加することにより、研究者間のネットワークの構築に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度までの研究成果に基づき、今年度は日本の理科教育における科学論的内容に関する効果的なカリキュラムモデルを開発したものの、研究結果の信頼性および妥当性の確認が不十分である。今後、さらなる文献調査および、研究協力者(国内外の理科教育学研究者)および小・中学校の理科教師とともに検討することを通じてカリキュラムモデルの有効性を確認していくことが必要である。また、研究計画では教材等も合わせて開発する予定であったが、教材開発に向けた授業モデルの構成要素の確定に時間がかかっているため、教材の開発にむけた方向性をだすことができているものの、教材開発が不十分である。
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Strategy for Future Research Activity |
第1に、昨年度の研究計画で先送りした日本の理科教育における科学論的内容に関する教材開発を実施し終えることである。 第2に、これまでの研究成果をもとに、日本の理科教育におけるカリキュラムモデルの実践および有効性・問題点の検証・分析を行う。具体的には、小・中学生を対象に、カリキュラムモデルを実践する。また実践したカリキュラムおよび教材の有効性を明らかにするために、量的な調査および質的な調査の両面から明らかにする。そのほか、理科の教育内容と子どもの認知発達や社会・文化の適合性などを合わせて調査する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画では、研究2年目に国内外の理科教育研究者との情報交換、研究協議のための旅費を予定していた。しかし、本研究以外の都合により、その実施が困難となったため、実際の研究協議のための海外調査を実施しなかったため。 これまで本研究実施前より使用していたデータ分析・保存用パソコン、授業分析用ビデオカメラ等を活用していたため研究計画にあったパソコン、ビデオカメラの購入を行わなかった。しかし、設備備品の経年劣化および研究代表者の所属機関変更のため、今年度の研究遂行に必要となる設備・備品の整備に使用する予定である。
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