2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24740013
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
岡崎 亮太 福岡教育大学, 教育学部, 講師 (20624109)
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Keywords | 極小次数付き自由分解 / 離散モース理論 / 組合せ論的可換代数 / CW 複体 |
Research Abstract |
平成25年度は以下の研究を行った. 1.昨年度に引き続き,Borel 固定イデアルについて,その極小次数付き自由分解の一つである Eliahou-Kervaire 型自由分解に付随する CW 複体の構造について考察を行った.今年度は,一般の Borel 固定イデアルについて,即ち,該当イデアルが必ずしもコーエン・マコーレーではない場合について精査し,Eliahou-Kervaire 型自由分解に付随する CW 複体が球体と同相になる為の本質的な条件を探った.一般の Borel 固定イデアルの場合は,残念ながら,条件をイデアルの言葉で簡潔に書き下すことが困難であるとの結論に至ったが,球体となる現象についての理解をより深めることが出来た. 2.I. Novik,A. Postnikov,B. Sturmfels らによるアフィン有向マトロイドの有向マトロイドイデアルの極小次数付き自由分解に付随する CW 複体の構造について考察を行った. 3.Buchsbaum 加群のソークルに関する Novik-Swartz による結果(Advances in Mathematics 222, 2009)を Shenzel による双対化複体を利用した Buchsbaum 性の判定(Lecture Notes in Mathematics, Vol. 907, Springer, 1982,及び,Y. Yoshino, Journal of Algebra 159, 1993)を用いても証明できることを示した.本結果は,平成 25 年 9 月,及び,11 月の招待講演をきっかけに始めた研究から生まれたものである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ボレル固定イデアルに付随する極小次数付き自由分解についての研究は,平成25年度までの研究で一応の完結を迎えることが出来た.一方,平成25年度における所属の変更に係る研究環境の整備等で,研究が断続的になってしまった結果,当初の目標として挙げていた「極小次数付き自由分解の具体的な記述の模索」や「離散モース理論の可換代数に現れる重要な(コ)ホモロジーの計算への応用」については,満足な研究結果を得るには至らなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究の概要にある有向マトロイドイデアルの極小次数付き自由分解は,対応するアフィン有向マトロイドが uniform であるとき,自由分解に付随する CW 複体が球体と同相であることが知られている.平成25年度までに培った CW 複体が球体となるアイデアを生かし,上記の結果を一般化することを目標に研究を進める. 同時に,平成24年度での研究で構成した多重次数付き加群の自由分解の応用(極小次数付き自由分解の記述)や,離散モース理論の重要なコホモロジーの計算への応用にも重点的に取り組んでいく.
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Research Products
(8 results)