2013 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙マイクロ波背景放射偏光観測のための広帯域反射防止膜の開発
Project/Area Number |
24740182
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
松村 知岳 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 特任助教 (70625003)
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Keywords | ミリ波 / 宇宙マイクロ波背景放射 / インフレーション / 広帯域反射防止膜 / 偏光 / 誘電体 / 微細加工 / 極低温 |
Research Abstract |
本研究は宇宙マイクロ波背景放射の観測のためのミリ波帯で用いる光学素子に広帯域反射防止膜を施す方法の研究開発として申請している。 本研究では、従来型の多層コーティング、及び加工による反射防止膜のプロトタイプの作成、またその評価システムの構築を行った。 評価システムは、NI-DAQや自動光学ステージなど用いパソコン制御で自動測定できるようにした。結果として72GHzから172GHzの帯域にて、透過、吸収、偏光特性を評価できる装置を構築した。 広帯域反射防止膜のプロトタイプサンプルとして多層コーティングによるものと、微細加工によるプロトタイプを作成した。前者はミリ波用のレンズやフィルター材料として用いられるアルミナや、半波長板として用いられるサファイアに、二層コーティングを施し、液体窒素及び常温にて測定評価した。後者は、誘電体Rexolite及びアルミナに対してピラミッド構造の微細加工を行った。Rexoliteについては機械加工にて高さ1mm、ピッチ0.6mmのピラミッド形状を作成し、広帯域な透過を評価しデザインによる透過特性との一致を確認した。アルミナは固い材料なため、機械加工ではウエハー用のダイシングソーを用いて高さ1mm、ピッチ0.3mm、幅0.15mmの溝加工を行った。広帯域を実現するには構造をテーパー状にする必要があり、ダイシングソーでは必要なテーパー角度が得られないことがわかり、ダイシングソーによる加工以外にレーザー加工(UV及びIR)を用い加工性の検討を行った。UVレーザーを用いた場合、加工の正確性では優れているものの、加工時間と価格が本科研費の予算規模を超えるために、試作のみで終わった。一方で、IRレーザーを用いた場合、加工の公差が大きく今後の検討課題ではあるが、加工時間は約100倍ほど早いため、今後大型サンプルへの加工の可能性を示した。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Mission Design of LiteBIRD2014
Author(s)
T. Matsumura, Y. Akiba, J. Borrill, Y. Chinone, M. Dobbs, H. Fuke, A. Ghribi, M. Hasegawa, K. Hattori, M. Hattori, and 69 other authors
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Journal Title
Journal of Low Temperature Physics
Volume: 175
Pages: n.a.
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Cosmic microwave background polarization experiment, POLARBEAR-22014
Author(s)
Tomotake Matsumura, Peter Ade, Yoshiki Akiba, Christopher Aleman, Kam Arnold, Matt Atlas, Darcy Barron, Julian Borrill, Scott Chapman, Yuji Chinone, Ari Cukierman, Matt Dobbs, Tucker Elleflot, Josquin Errard et al.
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Journal Title
Proceedings of the 12th Asia Pacific Physics Conference
Volume: JPS Conf. Proc. 1
Pages: 013108-1
DOI
Peer Reviewed
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