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2013 Fiscal Year Research-status Report

ステレオ観測による雷雲からのガンマ線発生モデルの検証

Research Project

Project/Area Number 24740183
Research InstitutionInstitute of Physical and Chemical Research

Principal Investigator

土屋 晴文  独立行政法人理化学研究所, 仁科加速器研究センター, 客員研究員 (70415230)

Keywords粒子加速 / ガンマ線 / 雷雲 / 雷 / 放射線観測
Research Abstract

これまで柏崎刈羽原子力発電所で続けていた雷や雷雲からの高エネルギーガンマ線の観測では、20例のイベントを発見していた。それらのイベントは通常、継続時間が1秒以下の短時間イベントといわれるものと、典型的に一分ほどにわたる長時間イベントという2つに大別される。ところが、昨年度、これら2つのイベントの特徴をあわせもった現象をはじめて捉えた。具体的には、雷に同期して、装置のカウントが急増し、その後30秒ほどかけてバックグラウンドに戻るというものであった。今年度、このイベントを東大の大学院生(牧島研究室)とともにさらに詳細に解析したところ、そのイベントでは、電子・陽電子の消滅にともなう511 keV のエネルギーをもつガンマ線が、その30秒にわたり検出されていたことがわかった。雷からのガンマ線を測る地上の装置おいて511 keVのガンマ線が観測されたのははじめてのことであった。このイベントから、雷雲で長時間にわたり陽電子が生成されていたことが示唆され、いかにして長時間にわたる生成が維持されたのかを現在、解析中である。
上記に述べたイベントでは、設置した検出器が飽和してしまい、雷に同期していたところでは十分なデータが得られなかった。そのため、雷に同期した511 keVの放射があるかないかは不明となった。こうしたデータの取りこぼしを起こさないような改善を現在進めている。その一環として、CeBr(2”X2”)シンチレータを購入し、これを新たな検出器として組み込むことができるようにしている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

これまでに設置した装置により、511 keVガンマ線が地上の雷雲から放射されていることを新たに発見することができた。これに加えて、データ通信環境も整い、研究協力者がいる東大(本郷)で常にデータを監視できる体制が整った。

Strategy for Future Research Activity

[1] 昨年度からの課題であるデータ収集系を十分速いものに刷新していく。これには、CAENのモジュールを使用予定。また、現状のNaIに比べて、時間応答が10倍速いCeBrを用いたシステムの構築も行っていく。
[2] 新たにわかった課題として、雷や雷雲からのガンマ線とともに中性子の観測にも取り組んでいく。これには、中性子とガンマ線を分別する必要があり、応用光研の新型のプラスチックシンチレータを使用予定している。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

現地からのデータ転送が稼働し、実際に現地に行く回数が減ったため。
柏崎刈羽原子力発電所構内では、われわれはLANにつなぐことができないため、H25年度、イーモバイルのデータ転送を使うことでデータを二ヶ月にわたり転送できることを確認した。H26度には、次年度使用額を利用し、観測の間中とぎれない転送方法の構築やあらたな端末の購入する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2013 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] Hardening and termination of long-duration gamma rays detected prior to lightning2013

    • Author(s)
      H. Tsuchiya, T. Enoto, K. Iwata, S. Yamada, T. Yuasa, T. Kitaguchi, M. Kawaharada, K. Nakazawa, M. Kokubun, H. Kato, M. Okano, T. Tamagawa, K. Makishima
    • Journal Title

      Physical Review Letters

      Volume: 111 Pages: 015001 1-4

    • DOI

      10.1103/PhysRevLett.111.015001

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 2012年中における日本海沿岸の冬季雷雲からのガンマ線観測

    • Author(s)
      楳本大悟, 土屋晴文, 榎戸輝揚, 山田真也, 湯浅孝行, 川原田円, 北口貴雄, 中澤知洋,国分紀秀, 岩田憲一, 加藤博,岡野眞治, 玉川徹, 牧島一夫
    • Organizer
      日本物理学会 2013年秋季大会
    • Place of Presentation
      高知大学
  • [Presentation] Observations of radiation bursts from winter thunderclouds and lightning over the Japan sea coast

    • Author(s)
      D. Umemoto, H. Tsuchiya T. Enoto, S. Yamada, T. Yuasa, M. Kawaharada, T. Kitaguchi, K. Nakazawa, M. Kokubun, K. Iwata, H. Kato, M. Okano, T. Tamagawa, K. Makishima
    • Organizer
      AGU 2013 Fall Meeting
    • Place of Presentation
      サンフランシスコ(USA)
  • [Presentation] 2012年以降の日本海沿岸の冬季雷雲からの粒子線観測

    • Author(s)
      楳本大悟,土屋晴文,榎戸輝揚,山田真也,湯浅孝行,川原田円, 北口貴雄,中澤知洋,国分紀秀,岩田憲一,加藤博,岡野眞治,玉川徹,牧島一夫
    • Organizer
      日本物理学会 第69回年次大会
    • Place of Presentation
      東海大学

URL: 

Published: 2015-05-28  

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