2014 Fiscal Year Annual Research Report
次世代高精度天体観測に向けたX線放射モンテカルロコードの開発と観測的実証
Project/Area Number |
24740190
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
小高 裕和 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 研究員 (50610820)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 中性子星 / ブラックホール / 活動銀河核 / X線天文学 / 国際研究者交流、ドイツ / 国際研究者交流、イギリス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画はモンテカルロシミュレーションによるX線放射計算フレームワークの構築とX線観測データへの適用を行い、新世代観測で求められる従来よりも高精度のデータ解析を実現することを目的としてきた。放射計算フレームワークMONACOを完成させ、本計画の主要なターゲットであった銀河中心領域の分子雲からのX線反射、降着中性子星からの硬X線放射について学術論文(1年目、2年目)と解説記事(今年度)と発表することで当初の目的を達成した。 MONACOフレームワークは当初より、天体の種類を絞らずに、汎用のX線放射コードとして開発を行ったことに特徴がある。昨年度以降は応用範囲を広げて、活動銀河中心核から光速の数10%もの速度で吹き出る「超光速アウトフロー」が示す光電離X線スペクトルのモデル化と観測データとの比較を実施した。その結果、中心ブラックホールの降着円盤からの強力な紫外線放射がアウトフローを加速するシナリオが観測と整合することを示した(今年度論文出版済)。特に様々な変化を示すX線スペクトルはすべてこのシナリオに基づいてアウトフローが変化することにより説明できることがわかった。 本研究計画が提唱してきたモンテカルロ放射計算の観測への応用は有用であることが明らかになり、計画中期よりブラックホール降着流からのコンプトン放射、活動銀河核分子トーラスからのX線反射、白色矮星周辺の光電離プラズマにおける従来の手法では計算が困難だった問題に取り組んでいる。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] The origin of ultrafast outflows in AGN: Monte Carlo simulations of the wind in PDS 4562015
Author(s)
Hagino, K., Odaka, H., Done, C., Gandhi, P., Watanabe, S., Sako, M., Takahashi, T.
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Journal Title
Monthly Notices of the Royal Astronomical Society
Volume: 446
Pages: 663-676
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Bin mode estimation methods for Compton camera imaging2014
Author(s)
Ikeda, S., Odaka, H., Uemura, M., Takahashi, T, Watanabe, S, Takeda, S.
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Journal Title
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A
Volume: 760
Pages: 46-56
DOI
Peer Reviewed
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