2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24740275
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
辻野 賢治 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (40415849)
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Keywords | 量子計量学 / NOON状態 / 光子数識別器 |
Research Abstract |
本研究目的である、量子計量学(Quantum Metrology)に用いる非古典光源の特徴を調べるべく、理論解析を行った。光干渉計における、古典限界を超えた位相測定精度を達成するためには、連続波光源で生成した非古典光の光子を、光子数識別器で検出する必要がある。ここで問題になるのは、光子数識別器の時間応答に対して、光子計数イベントがバンチングしているか、もしくは、アンチバンチングしているか、ということである。なぜなら、理想的な光子数識別器がいまだ開発されていないため、光子計数イベントがバンチングしている、つまり、立て続けに起きる場合、光子数識別器の能力によっては、正確に光子数を計数できない場合がある。昨年度の解析により、光子数イベントはアンチバンチングしていることが明らかとなった。 今年度の解析により、光子計数イベントのアンチバンチングの度合いは、干渉計の位相差によって、正弦波的に変化することが明らかとなった。さらに、その正弦波的な変化の周期は、非古典光の光子数に対応していることも明らかとなった。このような振る舞いを研究した例はいまだになく、実験の観点からも重要な成果であると考える。 今後、現在構築中の非古典光源と光子数識別器を用いて、上述の解析の結果を確かめる。これにより、状況によっては、光子数識別能力をもたない単一光子検出器でも実験が可能になるかもしれない。単一光子検出器の開発は、光子数識別器よりも進んでおり、量子計量学の実現に向けては非常に有望である。
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