2013 Fiscal Year Research-status Report
レイヤー構造を持った液晶の自己拡散メカニズムの解明
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24740288
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石井 陽子 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (80609793)
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Keywords | レイヤー構造 / 拡散現象 / 強制レイリー散乱 / 膨潤スメクチック相 |
Research Abstract |
高分子、両親媒性分子や液晶など、ソフトマターと呼ばれる物質には自発的に長距離秩序を形成するものが多くある。本研究ではその中でも一次元的に結晶秩序を持ちさらに二次元的には液体的に振る舞うレイヤー構造を持つ系の拡散現象の異方性について調べる。 レイヤー構造を持つ系には大きく分けて2種類ある。一つは両親媒性分子と水の混合系の2成分で現れるもので、もう一つは棒状の低分子単成分系の液晶で現れるものである。レイヤー構造を持つ系での拡散現象は異種のレイヤーが重なる2成分系と、単一である単成分系で大きな隔てりがある事が報告されている。この拡散メカニズムの違いについて系統的に調べるため、本研究では単成分系の液晶にアルカンを混合して現れる膨潤スメクチック相を用いて、非液晶物質が拡散へ及ぼす影響について解明を目指す。 平成25年度では、平成24年度に達成した強制レイリー散乱による拡散係数の測定法を用いて、液晶とアルカン混合系での拡散係数測定を行った。その結果から、アルカンの存在によってレイヤーを跨ぐ拡散が阻害されていることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
単成分液晶にアルカンを混合するための装置を開発する予定だったが、アルカンの蒸気圧制御が困難であると判明した。しかし、バイアル中でアルカンと液晶を混合することでこの問題点は解決された。また、液晶分子の自己拡散を測る今までの測定では混合した試料での測定が困難であったが、蛍光色素の拡散係数を測定する、強制レイリー散乱法を用いて単成分液晶での拡散係数の測定および、アルカンとの混合系(膨潤スメクチック相)での拡散係数を測定できた。
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Strategy for Future Research Activity |
プレリミナリーには単成分系での拡散係数の測定、膨潤系での測定が行えた。濃度、及び試料を変えた測定を行い、さらに拡散現象の知見を得たい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
顕微鏡を用いた自己拡散係数測定法でのデータの測定を予定していたが、今年度では強制レイリー散乱法での測定を行ったため、顕微鏡の購入を次年度に繰り越すことにした。 今年度で、顕微鏡を用いた拡散係数測定を計画しているので、そのための顕微鏡など周辺機器を購入する。
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Research Products
(1 results)