2014 Fiscal Year Annual Research Report
アモルファスメソポーラス炭素・酸化鉄複合材料の開発
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24750151
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Research Institution | Tsuyama National College of Technology |
Principal Investigator |
山口 大造 津山工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (60470118)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 磁性炭素複合体 / 磁性固体酸触媒 / 酸化鉄ナノ粒子 / メソポーラス材料 / セルロース / 放射性物質除染 / 吸着剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、炭素複合体の合成条件依存性およびこれによる酸触媒活性の変化について明らかにすることを目的とした。金属塩水溶液濃度および金属塩種を変化させて炭素複合体を合成し物質のキャラクタリゼーション、磁化特性分析を行い詳細に調査検討した。また、これら炭素複合体の酸触媒化を一定条件下で行い、セルロースの加水分解反応をモデル反応とした酸触媒活性の評価、経時変化分析、反応条件の最適化を行った。 その結果、炭素複合体は、5 nm程度のメソ孔を有する極低黒鉛化炭素中に10 nm以下のγ-Fe2O3粒子が分散した材料であり、酸化鉄粒子径は、硝酸鉄水溶液の濃度を濃くするに従って小さくなることが分かった。この複合体をスルホ化することにより材料表面に存在するγ-Fe2O3粒子はFe2(SO4)3へと変化し、1nm程度の極低黒鉛化炭素に結合したスルホ基、カルボキシル基、水酸基と共に酸点となっていることが分かった。酸強度は既存のカーボン固体酸より強く、酸点は最大で8倍となった。セルロースのグルコースへの加水分解反応における活性は、最適反応条件において既存のカーボン固体酸の1.5倍を達成した。これらの材料の飽和磁化は、硝酸鉄水溶液の濃度を濃くするに従って大きくなり、検討前の基準に比べそれぞれ最大で3倍と1.5倍となり目標を達成した。また、硝酸コバルトを追加合成することにより、複合体の磁性を目標達成値からさらに4.6倍にすることに成功した。 複合体を放射性物質の吸着材として応用できないか検討した結果、高い吸着性能を有することを発見し、福島県二本松市において汚染土壌および池などの汚染水に対しても適用できることを実証した。 本研究により、磁性材料および活性炭の応用分野への適用はもとより、多様な官能基を結合できる新しい磁性炭素材料として、様々な産業への適応が期待できる。
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Remarks |
マスコミ報道:81件(2015年4月1日現在)
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