2012 Fiscal Year Research-status Report
ナノ表面構造によって光キャリア制御された高性能光触媒粒子の開発
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24750204
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
村上 直也 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10452822)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 表面・界面物性 / ナノ材料 |
Research Abstract |
表面構造制御されたアナタース・ルチル・ブルッカイト型の酸化チタン粒子を水熱合成法により調製し,その表面形態(露出結晶面の種類・比率・粒子サイズ)がどのように光触媒反応の特性に寄与するかを考察した. 表面構造制御されたアナタース・ルチルの調製法においてはこれまでの研究結果より知見が得られているため,先ずブルッカイト型酸化チタンの調製法と,その表面形態とアセトアルデヒドの気相分解反応の活性の相関について検討を行った. 表面構造制御されたブルッカイト型酸化チタンは,既報の調製法を改良することによって,{210}と{211}を露出結晶面として有するナノロッド形状の粒子を,アスペクト比を変化させて得ることに成功した.また,そのアセトアルデヒドの気相分解反応の光触媒活性は,ナノロッドのアスペクト比が変わることによって変化することを明らかにした.これは酸化反応面と還元反応面の比率が変わることに起因していると考えられる. さらに,二重励起光音響分光法を粒子サイズ制御されたアナタース型十面体酸化チタンに適用し,その光キャリア挙動を解析し,結晶性の指標となる結晶欠陥量の定量,および,還元反応性の評価をおこなった.しかしながら,表面形態と結晶欠陥量・還元反応性の間に相関関係は見られなかった.そこで,赤外領域における電子の過渡吸収の情報を取得し光キャリア挙動のさらなる解析を行うために,二重励起光音響分光法の改良に着手した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究の目的」の一つである酸化チタン光触媒の特定の露出結晶面の制御には成功しているが,その光キャリア挙動の解析においてはまだ不十分であるため,「現在までの達成度」はやや遅れていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策について,未検討の試料の評価とさらに以下の二項目を主軸に検討を行う. [光触媒活性評価] 犠牲剤(硝酸銀,2-プロパノール)存在下における水分解の半反応(酸素生成,水素生成)を行うことによって,酸化反応・還元反応活性の評価を行う. [光キャリア挙動の解析] 赤外領域における電子の過渡吸収の情報を取得し光キャリア挙動のさらなる解析を行うために,二重励起光音響分光法の近赤外領域への拡張およびフーリエ変換赤外二重励起光音響分光法の開発を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に,本研究を推進するための消耗品費として利用することを予定している.
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Research Products
(2 results)