2013 Fiscal Year Annual Research Report
酸窒化クロムにおける特異な機能発現を利用した新たな高硬度セラミックス材料の創製
Project/Area Number |
24750211
|
Research Institution | Tomakomai National College of Technology |
Principal Investigator |
浅見 廣樹 苫小牧工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (00547961)
|
Keywords | 新規硬質セラミックス開発 |
Research Abstract |
本研究課題では、Coなどのレアメタルを使用せずとも単相焼結可能で高い硬度を有する新たな高硬度セラミックス材料の創製を行うとともに、高硬度セラミックス材料開発における全く新たな材料設計指針を示す事を研究の最終目的として、研究を進めた。具体的には、CrN中にMgと酸素を固溶させた(Cr,Mg)(N,O)粉末の合成手法の確立、放電プラズマ焼結法による単相(Cr,Mg)(N,O)焼結体の作製条件探索、および(Cr,Mg)(N,O)焼結体の機械的特性評価について取り組んだ。 今回の研究結果から、まずCr2NとMgOまたはCrNとMgOを原料粉末に使用し、これらを窒素雰囲気下でメカニカルアロイングするという極々簡単な手法により単相の(Cr,Mg)(N,O)粉末が合成可能であることを明らかにした。これまでに(Cr,Mg)(N,O)は、薄膜としては研究者が作製した報告例はあるが、粉末として合成された報告例はなく本研究が初めての報告例となる。また、これまでに同様の手法により酸窒化物粉末を合成した報告例はなく、新たな粉末合成手法の提示にもなると思われる。 次に、(Cr,Mg)(N,O)焼結体の作製について研究を行った結果、現状、MgとOの固溶量がわずかな粉末についてのみであるが、ほぼ単相の(Cr,Mg)(N,O)焼結体の作製に成功した。これまでに、同焼結体の作成報告例は存在せず、本研究が初めてのものとなる。また、この焼結体はHV2000という硬さを示し、これまでに報告されているCrN系焼結体よりも高い硬さを示した(一般的にはHV1300程度)。さらに焼結条件等について検討を行う事で、よりMgとOの固溶量が高く、さらに高硬度を有する焼結体の作製も可能であると考えられる。 最後に、今回の結果より酸素を選択的に固溶させることで焼結性を改善しつつ特性の改善を図るという、新たな材料設計指針を示せたと考える。
|
Research Products
(1 results)