2012 Fiscal Year Research-status Report
レベルセットに基づく大変形FSI解析手法による自己接触を伴うエアバッグ展開の予測
Project/Area Number |
24760059
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 学 東京大学, 新領域創成科学研究科, 助教 (00455362)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | シミュレーション工学 / 流体工学 / 流体 / 構造工学・地震工学 / 計算物理 |
Research Abstract |
レベルセットに基づく大変形FSI解析手法に自己接触を導入する方法を提案し、folded airbag deploymentを解析するための大変形FSI解析用プログラムを開発した。 構造の表面同士の接触判定条件および接触に伴う反力をLagrange未定乗数として構造ソルバーへ導入することによって、接触のモデリングは構造の変数を解くソルバーに容易に導入できる。しかし、構造の自己接触が生じると、レベルセットの関数値零の等値面が消失し、接触した構造の面上で非物理的な流入・流出が生じる。そのため、界面での運動学的条件を満足する境界条件の与え方 (Moving Least Squares近似による外挿方法) に物理量の不連続性を考慮した。 流体コードにはノード間でMPI、ノード内でOpenMPを使ってハイブリッドな並列化を行った。また、構造の自由度は流体の自由度と比べて数桁小さいことを考慮して、構造コードにはノード間の並列は行わず、ノード内でOpenMPを使って並列化した。このとき、外挿式の計算および構造に作用する圧力の計算にもノード間でMPIを使う並列化を行う必要があった。これらは、流体変数の情報からMLS近似や線形内挿を行う部分である。計算には東京大学奥田研究室のTC (Intel(R) Xeon (R) X5550 2.66GHz、8コア/ノード)を利用した。 今後は、スピードアップを向上させるため、流体計算の大規模化、構造コードのMPIによる並列化、仮想節点配置のノード間並列化を実施していく必要がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度では、レベルセットに基づく大変形FSI解析手法に自己接触を導入する方法を提案し、folded airbag deploymentを解析するための大変形FSI解析用プログラムを開発した。計算の精度を向上させたり、計算の並列化効率を向上させたりするためには計算手法をさらに改善する必要があるが、平成24年度の研究ではfolded airbag deploymentを解析するための方法論を確立することができた。そのため、平成25年度の研究計画である大規模並列計算機環境でのfolded airbag deploymentの解析および実験データとの比較を進めることが可能である。平成25年度は、当初の計画どおりに研究を進めながら、さらなる計算精度・並列化効率の向上も行う予定である。以上の状況から、研究は順調に進展していると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
folded airbag deploymentの計算結果と実験データ (鉛直方向のエアバッグの変位量、エアバッグの膨らむ様子の画像データなど) の比較を行う。そして、エアバッグの折りたたみ方法がエアバッグの変形過程にどのような影響を与えるのか検討する。エアバッグの折り畳み方をパラメトリックに変化させ、データベースを作成する。このデータベースを利用して、展開するエアバッグの変形過程の正確な理解、より安全性が高いエアバッグの開発につなげる。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
|