2013 Fiscal Year Annual Research Report
300℃の熱源温度で30%の熱効率を有する熱音響機関
Project/Area Number |
24760174
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
長谷川 真也 東海大学, 工学部, 講師 (30580500)
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Keywords | 熱音響機関 / 熱音響発電 / 非平衡熱力学 / 冷凍 |
Research Abstract |
熱音響機関が高い熱効率を実現するためには蓄熱器位置で「(i) 高い音響インピーダンス」が必要であり,温度比以上の高い増幅率を得るためには「(ii) 複数の蓄熱器」が必要である.さらに散逸を最小にして音響パワーを輸送するためには,「(iii) 導波管において進行波」が必要である.本研究では,これら(i)~(iii)を全て満たす多段進行波音波増幅器の設計手法を提案した.このようなデバイスを実現するために,本研究では温度差のある蓄熱器と隣接した短い導波管で構成されるユニットの伝達特性から得られる固有ベクトルに着目した.伝達マトリクスの固有ベクトル要素の比で決められる比音響インピーダンスがρcに近いと導波管内の音波は進行波に近い事を利用し,各蓄熱器位置で高い音響インピーダンスを実現しながら複数の蓄熱器を進行波位相で接続可能な構成を計算にて求めた.計算に基づき「二つの蓄熱器を有する熱音響機関」を実際に試作し実験を行った結果,導波管で比音響インピーダンスがρcの進行波を実現すると同時に,蓄熱器では5ρc以上の高い音響インピーダンスを実現することが出来た.また提案した多段熱音響機関の熱効率を厳密に測定するために,蓄熱器一つのみを対象に,音響ドライバーを用いて蓄熱器下流を進行波に制御することで熱効率の測定実験を行った.その結果,蓄熱器における熱効率【蓄熱器における音響パワー増幅量 / 入熱量(大気放熱や単純熱伝導を除く)】は高温熱交換器温度300℃において30%を超えた.
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Research Products
(15 results)