2013 Fiscal Year Annual Research Report
広帯域安定駆動を目的としたマイクロ・スマート複合材の開発
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24760179
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
本田 真也 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90548190)
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Keywords | スマート構造 / 複合材料 / 最適設計 / 積層理論 / 振動制御 |
Research Abstract |
1. スマート複合材の振動制御性能の統合的な向上を目的とした多目的最適化 昨年度の研究においてスマート複合材の圧電材による能動的な振動制御性能を向上する目的で最適化を行った結果,最適な繊維配向角度および圧電材配置を有するスマート複合材の制御性能は向上したが,構造物自体の固有振動数は他の代表的な複合材よりも低くなるという結果が得られた.しかしながら,外乱による共振を避けるため,構造物の固有振動数を調整することは,受動的な振動制御手法として有効であり,受動的な制御能力を犠牲にして能動制御性能のみを向上する手法ではスマート複合材の統合的な振動制御性能向上を達成したとは言えない.そのため,本年度は相反する目的に対する非優越解群(パレート解)を算出するため,能動的および受動的(基本振動数の最大化)制御性能の両者を目的関数とした多目的最適化手法(修正非優越ソート遺伝的アルゴリズム,NSGA-II)を適用した.その結果,高い基本振動数を有する解から高性能な能動制御能力を有する解,またその中間的な特性を示す解など,多様な設計案も求めることができた.以上の結果は,次年度において国際学会で発表予定であり,また論文として投稿する予定である. 2. Zigzag理論の適用によるスマート複合材の数値モデル精度向上 昨年度はレーザー加振を用いたマイクロ・スマート構造物の振動制御システムを構築したが,数値計算結果と実験結果の間には,同様の傾向が見られるものの,実験精度および計算モデルの再現性の向上が必要であることがわかった.そのため,本年度はZigzag理論を用いた積層複合材の振動計算数値モデルの開発を行った.本理論はTimoshenkoはりの仮定に基づく,一次せん断変形理論にZigzag関数を導入することで精度を向上している.本成果は論文としてまとめ査読付き雑誌に掲載された.
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