2014 Fiscal Year Annual Research Report
犬の行動学に基づく人とロボットの長期的かつ持続的なコミュニケーションの設計
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24760212
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
新妻 実保子 中央大学, 理工学部, 准教授 (10548118)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 人-ロボットコミュニケーション / ソーシャルロボティクス / 福祉ロボティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度はロボットから人への能動的インタラクションとして,犬のボール遊びと誘導行動に着目し,ボールを用いた人とのインタラクション及びロボットに注意の向いていない誘導対象者をある目的地まで誘導する振る舞いの実現に取り組んだ。ボール操作機構としてローラ型の機構を実装した。しかし操作可能なボールの材質及び大きさが特定のものに限定され,また十分な操作精度が得られなく課題が残った。誘導行動に関しては,人の注意を確実に獲得することが重要であるとこれまでの実験から分かって来た。特に,人の視線を獲得するだけでなく,ロボットの目的地がどこであるかを人が適切に推測できることが重要であると考えられた。そのため,一連の誘導行動において各行動フェーズにおけるロボットの目的地が人に予測しやすいようロボットの移動経路を設計した。その結果,ロボットについてほとんど知識がなく,また本ロボットの役割や実験の目的も知らない被験者を90%の成功率で目的地へ誘導することが確認された。経路だけでなく,適切なタイミングで人の注意を評価でき,ロボットが適切な行動を示すことができたことが成功した要因と考えられる。なお,人のロボットへの注意は人の顔の向きによって評価した。カメラを搭載した2自由度の可動部を有する頭部動作部を使用してロボットの関心を示した場合は若干誘導精度が高まるものの頭部動作部を用いない場合と比べても有意な差は見られなかった。そのため,誘導行動を成功させるには,頭部動作の有無よりも,人がロボットの目的地を正しく推測できるかが,適切なタイミングで人の注意を評価し行動フェーズを変えていけるかが重要であるといえる。
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Research Products
(5 results)