2012 Fiscal Year Research-status Report
高速度カメラを用いたスカイツリーでの上向き雷の観測
Project/Area Number |
24760226
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齋藤 幹久 東京大学, 生産技術研究所, その他 (90599218)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 雷 / 上向き雷 / 高速度カメラ / 東京スカイツリー |
Research Abstract |
本研究は、高構造物からの上向き雷の放電様相を調べることを目的とする。上向き雷の被害は、すでに日本海沿岸の風力発電用風車で冬季に大きな問題になっているが、風力発電設備の大型化に伴い、今後は太平洋沿岸でも被害が発生する可能性がある。上向き雷は海外でも研究が行われているが、各国によってパラメータが異なることが明らかになっており、日本の上向き雷の対策には、日本国内での観測が欠かせない。本研究による結果を明らかにすることにより、日本国内の太平洋沿岸地域の上向き雷への対策の基礎データが得られる予定である。 上記の目的のために、本研究では、高速度カメラを用いた東京スカイツリーからの上向き雷の観測を平成24年度から開始した。東京スカイツリーのような、高さが数百m以上の超高構造物では、太平洋沿岸地域の平地に建てられても上向き雷が発生するようになり、多くの雷撃を受ける。 高速度カメラを用いた雷放電観測システムは東京スカイツリーから約1.2kmの箇所に平成24年度に設置し調整を終えた。このシステムは東京スカイツリーへの落雷を検知して自動でデータを記録する。現在は常時東京スカイツリーへの落雷の観測を行っているため、平成25年度は多くのデータが観測される事が期待される。東京スカイツリーへの雷は、高速度カメラによる観測の他にも、雷電流観測装置および電磁界観測装置を用いて観測されており、各観測データが蓄積されて相互の関係が明らかにされれば、雷現象に関する知見が深まり、より適切な雷害対策の実現に結びつく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
24年度中に高速度カメラの設置、調整を終え、現在常時観測を続けている。機器の調整が終了したのが雷放電が多い時期より後だったため、未だ、データは取れていないが、本年度は多くのデータが観測できる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度までで高速度カメラの設置、調整は終了しており、現在も観測中であるため、本年度も観測を継続する。本年度は雷の多い時期にカメラが稼動しているため多くのデータが観測される予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度配分額と合わせて、観測機器の調整費、および観測されたデータの学会などでの発表、論文投稿料に使用する。
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Research Products
(3 results)