2012 Fiscal Year Research-status Report
アモルファス/結晶ハイブリッド型シリコン光集積回路
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24760271
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
丸山 武男 金沢大学, 電子情報学系, 准教授 (60345379)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 光電子集積回路 / シリコンフォトニクス / 超高速光検出器 / 光導波路 |
Research Abstract |
次世代ネットワーク用超高速・小型光集積回路の開発が急がれている。この課題に対し、波長850nm帯を用いるシリコン光集積回路を新たに提案する。この波長帯を用いることで、結晶シリコンを光検出器として用いることが可能となり、LSIとの集積が容易になる。さらに光導波路にアモルファスシリコンを選択することで、光回路の小型化が実現できる。そこで、10GHz超の動作速度を有するCMOS標準プロセスを用いたシリコン光検出器の開発、低損失単一モードアモルファスシリコン光導波路の作製、そしてこれらを集積したハイブリッド型シリコン光集積回路を実現し、LSIグローバル配線用に適したデバイスの実現を目的としている。 (1) CMOS標準プロセスにより作製した結晶シリコンAPDの10GHz超での動作達成 これまでVDECを介してCMOS標準プロセスを用いたSi光検出器を実現し、帯域周波数3.4GHzのAPDを実現している。今年度は高速動作に向けて、帯域制限の原因である電極パッド容量を最適化し、7GHzでの動作を達成し10Gbpsでの伝送も確認した。 (2) アモルファスシリコンによる単一モード光導波路および多機能光回路の実現 上記光検出器との集積化に向けて、今年度はアモルファスシリコンによる回折格子結合器を有限要素法解析により設計した。TEモードで70%以上の結合効率を有する構造を見出した。またシリコン系でSiN光導波路を作製し、850nm帯において10dB/cmの導波路損失を有する光導波路を実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
達成度を「おおむね順調に進展している」とした理由は以下のとおりである。 まず「(1) CMOS標準プロセスにより作製した結晶シリコンAPDの10GHz超での動作達成」に関しては、構造の最適化、試作、動特性の評価を実施し、当初の目的を1年目でほぼ達成した。 次に「(2) アモルファスシリコンによる単一モード光導波路および多機能光回路の実現」に関しては、光検出器との集積化に向けた、結合導波路の設計は完了した。またシリコン系光導波路として新たにSiNを導入した。この材料は当初考えいたアモルファスシリコンより屈折率が小さいためシングルモード条件が緩く、LSI互換性や波長850nm帯での伝搬損失の低減が期待できる。回折格子構造による結合導波路の設計は完了したが、シングルモード光導波路の実現には至っていないので、多少遅れ気味である。 以上より、全体としては順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 更なる高速動作化と低電圧設計 H24年度作製したAPDの特性評価を元に構造の再設計を行い、10GHz超での応答を目指す。また低電圧化に向けて、降伏電圧10V以下の光検出器を設計、試作する。さらに、昇圧回路をLSI内に設計し、独立外部電源が不要なシステムを構築する。 2. シリコン系光導波路における高機能回路とAPDとの集積化 H24年度に確立した光結合器と光導波路を試作し、波長850nm帯での結合効率を測定する。さらに、上記でに実現したシリコン系光導波路と広帯域・高利得APDとを集積する。そして10GHz超の変調信号を入射し、APDでの高周波応答を評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし。
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