2013 Fiscal Year Research-status Report
生物を規範とする二関節筋ロボットの視触覚フィードバック制御に関する研究
Project/Area Number |
24760343
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
河合 宏之 金沢工業大学, 工学部, 准教授 (70410298)
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Keywords | 制御工学 / 知能ロボティクス / 二関節筋 / 視覚情報 / 力・触覚情報 |
Research Abstract |
本研究の目的は,二関節筋を有するロボットマニピュレータの位置決めをオープンループで制御し,軌道生成やマニピュレータの不確かさの対処に視覚情報と触覚情報を用いることでロボットに生物の有する環境に対する柔軟性を獲得させた生物規範型のロボット制御 を提案することにある. この研究目的に対して,本年度は二関節筋ロボットの視覚フィードバック制御をおこなうための準備として,筋肉の特性を陽に考慮したモデルを考え,オープンループとは異なるアプローチにより,不確かさの影響を受けにくい制御方法について検証した.人間が実際に手を動かす際には,手先と目標となる対象物を意識し,腕の関節角度を意識しない事と同様に,ロボットの手先の位置姿勢のみが目標値として与えられ,関節角度の目標値が使えない状況を想定し,質量やリンク長の不確かさのモデル化についての再考をおこなった.モデル化の妥当性については,前年度作成したMatlabとSimulinkを用いたシミュレータによりおこなった.また,空気圧アクチュエータを 6 個配置することで 3 対 6 筋モデルを表現した二関節筋ロボットを設計・製作し,その構造上の問題点を明らかにした.具体的には,制御によりすべての空気圧アクチュエータを同時に動かすことは可能となったが,単関節と二関節筋用のアクチュエータを単独で動かす場合,可動させないアクチュエータの働きで,ロボットアーム全体がロックされてしまう.この各関節で異なるアクチュエータの入力トルクを結合させる方法を提案することが,実システムを製作するうえで考慮すべき新たな問題点として明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理論的な制御則の提案はおおむね順調に進んでいるが,申請時に想定していた生物の動きに基づいたロボットの動作方法よりも,より妥当な動作方法を考慮すると,実システムを構築する際に機構上の問題が発生し,実システムの再設計が必要になったため,やや遅れていると評価する.
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Strategy for Future Research Activity |
実システムを製作する上で明らかになった問題点を解決するために,二関節筋ロボットを再設計することで,構造的に解決することを検討する.その際,視覚情報を用いた視覚フィードバック制御則も再考し,新たなモデルと制御則に対して安定性解析をおこなう.また,視覚情報と併せて手先の力・触覚情報を用いた制御則を検討する.その際,3対6筋の二関節筋が有する手先方向に基づく協調制御の特徴を考慮することで,より生物に近い動作の実現を目指す.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
情報収集のため予定していた国際学会(2件)に参加できなかった事と,二関節筋ロボットの再設計と製作が必要になったため,次年度に使用額を繰り越した. 二関節筋ロボットの再設計と製作に関わる部材の購入,シミュレーションのためのソフトウェアの更新,また,関連する研究の資料収集のための学会参加旅費ならびに研究成果の発表のための旅費などに使用する予定である.
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