2013 Fiscal Year Research-status Report
コンクリートの乾燥収縮ひずみの早期推定試験方法に関する研究
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24760348
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
藤井 隆史 岡山大学, その他の研究科, 准教授 (10537236)
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Keywords | コンクリート / 乾燥収縮ひずみ / 早期推定 / 部材寸法 / 大型供試体 / 高炉スラグ細骨材 |
Research Abstract |
JISに規格化されている高炉スラグ細骨材および高炉スラグ粗骨材,JISに規格化されていない速硬性混和材を用いたコンクリートについて,小さい供試体を用いた方法において検討を行った。一般的なコンクリートと同様に,直径75mmで高さ150mmの円柱供試体を用いて測定した乾燥収縮ひずみは,一般的に行われている100×100×400mmの供試体の6か月(182日)の値と,およそ3.3か月(100日)で同程度になることが分かってきた。また,さらに小さい直径50mmで高さ100mmの円柱供試体では,概ね,1.4か月(42日)程度で,一般的に行われている100×100×400mmの供試体の6か月の値と同程度になることが分かってきた。小さな供試体を用いることで,概ね4分の1程度の期間で乾燥収縮ひずみを推定できると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までの研究で,一般的なコンクリートであれば小さい供試体を用いる方法で,コンクリートの乾燥収縮ひずみを短期に推定できる可能性を見出した。本年度は,スラグ,特殊混和材を用いたコンクリートについて,小さい供試体を用いた方法が適応可能か検討した。吸水率の大きな高炉徐冷スラグや,化学反応による収縮の大きいと思われる速硬性混和材においても小さい供試体を用いた方法は適用可能であることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに,試験室で作製したコンクリートにおいては,概ね適用可能であることを示した。今後は,実際のプラントで作成されたコンクリートを用いて,本手法が適用可能か否かを検討する。 コンクリートの乾燥収縮ひずみは,水分の逸散によって生じるものである。本研究で確かめた方法は,コンクリート供試体の寸法を小さくすることで,乾燥収縮ひずみの進行を速め,早期にJISに規格化されている方法の値を推定する方法である。このことから,JIS規格の試験体よりも大きな実際のコンクリート構造物に生じる乾燥収縮ひずみは,JISに規格化されている供試体の乾燥収縮ひずみよりも進行は遅くなる。小さな供試体,JISに規格化されている標準供試体の乾燥収縮ひずみからJISよりも大きな供試体の乾燥収縮ひずみを推定できれば,実構造物の乾燥収縮ひずみも推定できる可能性がある。これらのことを今後検討していく。
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