2013 Fiscal Year Annual Research Report
貧酸素環境下における海底堆積物の生物・化学的酸素消費に関する研究
Project/Area Number |
24760400
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
遠藤 徹 大阪市立大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (00527773)
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Keywords | 堆積物 / 生物的酸素消費 / 化学的酸素消費 / 水中二酸化炭素濃度 |
Research Abstract |
港湾海域のような閉鎖性海域では、底層水の貧酸素化が深刻な問題となっている。様々な酸素供給技術が提案されているが、適用に当たっては堆積物の酸素消費特性を把握しどのくらいの酸素を供給すればよいかを事前に見積る必要がある。特に貧酸素環境下では様々な酸素消費要因が混在するため、要因毎の酸素消費特性を解明することが重要となる。本研究では生物的な酸素消費過程として、バクテリアが有機物を分解する際に酸素を消費し二酸化炭素を放出することに着目し、酸素消費量と二酸化炭素生成量の関係から生物的な酸素消費要因を分画することを目的とした。 2年計画の初年度は、水中二酸化炭素濃度の計測手法の確立のため、センサー部に通気性撥水チューブを用いた計測装置を製作し、その妥当性について検証した。まず、室内曝気した水中の二酸化炭素濃度を計測し、水槽内の二酸化炭素濃度が室内の濃度に収束する過程をモニタリングした。また、室内曝気中の水槽内に高濃度炭酸水を段階的に滴定した場合の濃度変化を計測した。この結果、本手法の反応速度は数分から数十分程度かかるものの環境水中の二酸化炭素濃度の時間変動を計測するのに十分有効であることが確認できた。 2年目は本手法の妥当性を評価するため、全炭酸濃度が一定の水槽内のpHを調整して二酸化炭素濃度を段階的に変化させた実験を実施し、本計測手法で水中の二酸化炭素濃度を計測できていることを確認した。その後、堆積物を敷いた水槽内の溶存酸素濃度と二酸化炭素濃度の時間変化を同時計測し、酸素消費曲線と二酸化炭素生成曲線について比較した。その結果、生物的酸素消費と考えられる反応を確認することができた。ただし、実験手法の確立に時間を要したため、当初実施予定であった有機物量や水温など条件を変化させた実験による生物的酸素消費特性の解明には至らなかった。
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Research Products
(2 results)