2013 Fiscal Year Annual Research Report
簡便・迅速なオンサイト型脱窒細菌生菌数計測法の開発と廃水処理精密管理への応用
Project/Area Number |
24760429
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
山田 剛史 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90533422)
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Keywords | CTC / 脱窒細菌 / 廃水処理プロセス / 微生物計測技術 / プロセス管理技術 |
Research Abstract |
生物学的脱窒プロセスは水質指標のみで管理されており、脱窒細菌の特性に見合った制御・管理が難しい。従って、ひとたび処理効率が悪化した場合、現状回復に多大な労力を必要とする。この問題を克服するためには、プロセス内で硝酸除去を担う脱窒細菌の生菌数も指標化し、水質指標と微生物指標を合わせた相互補完的な管理体制の強化が望ましい。しかしながら、現在までオンサイトにおいて迅速・簡便に脱窒細菌の生菌数を計測する技術は知られていない。そこで本研究では、好気性細菌の呼吸活性菌計測方法で用いられる5-cyano-2,3-ditolyl-2H-tetrazolium chloride(CTC)染色を脱窒細菌に応用する技法の開発と蛍光アプタマーによる同時染色技術の開発を最終的な目標とした。 数種の脱窒細菌および好気性細菌を用いてCTC法の最適化を行った。硝酸呼吸に基づくCTC染色菌を明確にするためには、CTC濃度を極力抑えて、硝酸呼吸阻害剤によってCTC還元を促進させることが重要であった。特に、diethyldithio carbamate(DDC)を0.5~1 mM添加することにより、CTC濃度を上げた時とほぼ同等までCTC染色率を高める効果が確認できた。脱窒条件下の活性汚泥に対しても同様の実験を行った結果、CTC濃度(0.2 mM)、反応時間(1時間)およびDDC濃度(1 mM)の条件下において、蛍光性CTCフォルマザン由来の脱窒細菌生菌数を測定することが可能であった。蛍光アプタマーによる同時検出を行うために、まずは従来のFluorescent in situ hybridization法による同時検出が可能かを評価した。その結果、細胞の脱水処理の工夫によって、EUB338プローブを用いたFISH法とCTC法の同一視野における検出が可能であった。
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